de
Guaita, Stanislas スタニスラス・ド・ガイタ (1861-1897) ☆ 世紀末フランスの実践派魔術師。「薔薇十字カバラ団」の創立者。ブーランとの魔術戦で有名。 1861年4月6日、ロレーヌのアルトヴィル城にて出生。侯爵家の御曹司であり、 何不自由ない少年時代を送ってパリに出 て来たのが21歳の時であった。ド・ガイタは法律を学ぶべく故郷を後にして来たのであるが、たちまちパリの文学熱に冒され、詩作に耽っている。 1883年にレヴィの『高等魔術の教理と祭儀』を読んだのがきっかけで魔術方面に興味を持ち、1884年からはペラダンと交流して研究を積む。金にまかせて厖大な魔術関係書籍を購入している。 以降、ペラダンの指導下で研究を積む一方、1886年にはリヨンの破戒坊主ブーランに弟子入りを装って接近し、その行状をつぶさに観察してから遁走。続いて同志とともにブーランの欠席裁判を行って有罪を宣告、その旨をブーランに通知する。この一連の騒ぎは19世紀有数の魔術戦として有名である。 1888年、「薔薇十字カバラ団」を創立して、首領に就任。団のメンバーにはペラダン、パピュス、ウィルト等、後世に名を残す面々がいたが、ブーラン相手の呪術合戦が原因で1890年にペラダンが離脱している。ペラダンは熱烈なカトリックだったので、蝋人形に針を刺している同僚に嫌気がさしたものと思われる。 1893年、 ブーランが死んだ時にはド・ガイタが首尾よく呪い殺したと噂され、名誉毀損で決闘沙汰を起こしている。 1897年、麻薬の服用量を誤って頓死。 ド・ガイタは様々な伝説を持つ人物であり、戸棚の中に使い魔を飼っていたとか、幽霊と同棲していたとか、面白いものが多い。彼の隠秘学に於ける研究姿勢は実験的なものであり、ドグマにとらわれることなしにあらゆることを実行して、その結果を考察するというものであったから、他人の目に奇異に映る行為も多かったのであろう。 |
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主要著作 | Au Seuil du mystere, Carr , Paris, 1886. Le Serpent de la Genese, Part 1, Chamuel, Paris, 1891.: Part 2, Chamuel, Paris, 1897. Le Temple de Satan, Chamuel, Paris, 1891. Bibliotheque occulte, Dorbon, Paris, 1899. La Clef de Magie Noire, Durville, Paris, 1920. |
参考文献 | Barres, Maurice: Un Renovateur de l'occultisme, Stanislas
de Guaita, Chamuel, Paris, 1898. Berlet, Charles: Un Ami de Barres, Stanislas de Guaita, Paris, 1936. Berthelet, E.(ed.): Lettres in dites de Stanislas de Guaita, au Sar Josephin Peladan, une page inconnu de l'histoire de l'occultisme la fin du XIXe siecle, Paris, 1952. Wirth, Oswald: Stanislas de Guaita, souvenirs de son secretaire, Editions du symbolisme, Paris, 1935. McIntosh, Christopher: Eliphas Levi and the French occult Revival, Rider, London, 1972.: Weiser, New York, 1974. 澁澤龍彦『悪魔のいる文学史』中央公論社、昭和47年。 |
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