Papus [Dr G rard Encausse] パピュス 本名 ジェラール・アンコース (1865-1916) ☆ 19世紀末から今世紀初頭にかけて活躍したフランスの魔術師。 1865年7月13日、スペインのコローニャにて出生。父はフランス人、母はスペイン人。学業優秀の少年であり、長じてパリ大学医学部に学び、1894年には医学博士号を授与されている。 医学生時代に生命生成の謎を考えていて錬金術に興味を覚え、国立図書館にこもってその種の読書を開始、魔術や東洋思想にまで枠を広げた研究に浸る。 1887年10月、神智学協会パリ支部に入会。一年とたたずに退会しているが、以後、数々のオカルト組織に顔を出すことになる。 1888年には、自ら「秘教実践独立集団」 Groupe Independant d'Etudes Esoteriques なる組織を設け、また怪人サン・ティーヴのマルタン会1にも参加している。 1890年にはペラダンとド・ガイタ侯爵の「薔薇十字カバラ団」にも加わり、およそ当時のオカルト界全般に精通していたといえよう。1895年3月にはマサースの「黄金の夜明け」団アハトゥールテンプルのメンバーにもなっている。 1894年の学位取得後、パピュスは英国、オランダ、ベルギーなどを渡り歩いて同種療法を学び、ロシアにまで足を運んでいる。ロシア宮廷ではニコライ二世の御前で先帝アレクサンドル三世の霊を呼び出して、差し迫った革命の予言をなしたといわれているが、これは伝説の域を出ないエピソードである。 1914年、一次大戦では軍医大尉として従軍、後に軍医少佐として前線に出るが、結核に感染してパリに戻される。回復後、軍務に復帰するが、結核に脳発作が加わって1916年10月25日に死去。 パピュスは隠秘学関係に加えて医学的著作も多数残しているが、現在では主にタローカードとカバラの関係を論じた書物で名を知られている。 余談ながら、彼は剣の名手であったという。 1. 「マルタン会」−Martinist Order. 18世紀の奇人マルティネス・ド・パスカリやサン・マルタンの思想に由来する一種の結社。パピュスは後年、サン・ティーヴの後を継いでグランド・マスターになっている。 |
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主要著作 | Le Tarot des Bohemiens, Paris, 1889.: The Tarot of the Bohemians,
Eng.tr. A. P. Morton, Rider, London, 1910.: Weiser, New York, 1965. Trait Methodique de Science Occulte, Carr , Paris, 1891. Trait Elementaire de Magie Pratique, Chacornac, Paris, 1906. Le Diable et l'Occultisme, Chamuel, Paris, 1895. La Magie et l'Hypnose, Chamuel, Paris, 1897. Catholicisme, Satanisme et Occultisme, Chamuel, Paris, 1897. |
参考文献 | Encausse, Philippe: Papus (Dr. Gerard Encausse), sa vie, son uvre,
Paris, 1932. McIntosh, Christopher: Eliphas Levi and the French Occult Revival, Rider, London, 1972.: Weiser, New York, 1974. |
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