Gale, Zona
ゾーナ・ゲイル
(1874-1938)


☆ 米国の作家にして劇作家。1921年に女性として初めてピューリッツァ演劇賞を受賞。後年、神智学と心霊術に傾倒したためこの人名録に収録される。

 1874年8月26日、ウィスコンシン州ポーテイジにて出生。ウィスコンシン=マディソン大学卒業。
 ミルウォーキーおよびニューヨークの新聞社で働きながら文筆修行を開始、30歳にして故郷ポーテイジに戻ってフルタイムの作家活動に入る。
 1906年、処女小説 Romance Island を発表。その後は故郷ポーテイジをモデルとする日常的作品にて人気を博す。 1921年、Miss Lulu Bett の舞台化作品によりピューリッツァ演劇賞を受賞。作家としての地位を確実なものとしている。

女性運動にも積極的に参加し、当時の機会均等法を実現すべく大々的なロビー活動も行っている。

 ゾーナ・ゲイルのオカルト志向は1906年の処女小説『ロマンス・アイランド』の時点から明らかである。ゲイルと交流があり、後年これを翻案して『幻島ロマンス』として出版した野口米次郎いわく

 ノヴァリスの言葉に「愛人を初めて瞥見した時の思ひを記憶する人は魔法を信じない訳にはいかない」とあるが、ゾナ・ゲール嬢も魔法の信者であった。そしてしかも彼女が本小説に於けるやうに第四次元を語るとき、彼女は理智を恋愛の背景としようとした。しかし恋愛そのものこそ第四次元の世界であると喝破して、彼女は純白無垢の魔法信者であることに満足している。 (『幻島ロマンス』序文、昭和4年、改造社刊)。

 晩年にはアリス・A・ベイリーの作品に序文を寄せるなどしている。

 1938年12月27日、シカゴの病院にて肺炎により死去。



☆主要著作

Romance Island, Bobbs-Merrill, Indianapolis, 1906 : 『幻島ロマンス』、野口米次郎翻案、改造社、東京、昭和4年。
Friendly Village Macmillan, New York, 1908.
When I was a Little Girl, Macmillan, New York, 1913.
Christmas: A Story, Macmillan, New York, 1912.
A Daughter of the Morning, Bobbs-Merrill, Indianapolis, 1917.
Miss Lulu Bett, D. Appleton, New York, 1920.
The Secret Way, Macmillan, New York, 1921.
Faint Perfume, Grosset and Dunlap, New York, 1923.
Yellow Gentians and Blue, D. Appleton, New York, 1927.
Light Woman, D. Appleton, New Albany, 1937.
Magna, D. Appleton, New York, 1939.



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