Leadbeater, C[harles] W[ebster]
C. W. レッドビーター (1847-1934)

☆　今世紀初頭に活躍した神智学協会員にしてアニー・ベザントの片腕。美少年趣味でも有名。

　1847年、出生。
　1879年、国教会の牧師補として任命を受け、ハンプシャーの教区に回される。
　1885年、ブラヴァッキーに会い、神智学協会に入会。以後、熱心な協会員としてインドとセイロンで修行を積み、霊視能力を発達させる。協会内の派閥では完全なベザント支持者であり、後にはベザントの後継者となる。
　レッドビーターは霊視、特にオーラ観察の達人として協会内で独特の位置を占めていたが、もうひとつの趣味のために常に悪評も尽きなかった。
　以前より講演旅行等に少年を連れていくなど、なにかと取り沙汰されるところがあったのだが、ついに1906年、少年の保護者からレッドビーターの「趣味」に関して告発が出ている。
　神智学協会ではこれを放置も出来ず、長老オルコットが調査委員会を設置してレッドビーターを証人喚問、結果は「クロ」であり、レッドビーターは退会を余儀なくされた。　しかし1907年にオルコットが死去すると、神智学協会内に怖いものがなくなったベザントがレッドビーターの復帰運動に奔走して、「マハトマ」のお告げまでも持ち出して子分を擁護している。結果としてレッドビーターは1909年に協会に返り咲いている。
　1910年あたりから、ベザントとレッドビーターはクリシュナムルティ1という少年を世界宗教の指導者に育て上げる計画を練り始め、少年をベザントの養子としている。ここでもレッドビーターの「趣味」の噂が絶えず、息子を変質者の手に委ねることを恐れた実父が、親権復権の訴訟を起こしている。この裁判のためレッドビーターの趣味は世間一般の知るところとなったが、幸か不幸か一次大戦が勃発したために派手な弾劾は行われずじまいであった。

　レッドビーターの次なるキャリアはリベラル・カトリック・チャーチ2の司教というものであり、この不思議な教会の運営に尽力しつつ、数多くの著述をなして余生を送る。

　1934年、死去。　余談だが、レッドビーターは少年と同じくらいに猫が好きだったという。

1.　レッドビーターはたまたまアディヤルの神智学協会本部で見かけた協会員の息子クリシュナムルティをオーラ的に観察して、少年がゆくゆくはキリストと彌勒菩薩を一緒にしたような霊的指導者になることを確信したといわれている。

2.　英米には既存の伝統的キリスト教教会から分離したり破門されたりした分派教会組織が多数あり、それぞれがもっともらしい名称の下に活動を行っている。リベラル・カトリック・チャーチもそのひとつで、1915年頃、クリシュナムルティ運動推進のために神智学協会が乗っ取ったものである。ゆえに、以降この教会は常にオカルト的な色彩を帯びていて、数多くの霊媒や霊視家、魔術師を輩出させている。
主要著作 The Astral Plane, TPH, Adyar, 1968.
The Devachanic Plane, or Heaven World Its Characteristics and Inhabitants, TPH, London, 1902.
The Other Side of Death, Theosophical Book Concern, Chicago, 1903.
Man, Visible and Invisible, The Bodly Head, New York, 1903.
Occult Chemistry, a Series of Clairvoyant Observations on Chemical Elements, TPH, Adyar, 1908.(with Annie Bsant).
An Outline of Theosophy, TPH, Adyar, 1915.
The Perfume of Egypt and Other Weird Stories, Theosophist Office, Adyar, 1911.
The Inner Life, Rajput Press, Chicago, 1911.
The Hidden Side of Christian Festivals, St Albans Press, Sydney, 1920.
The Monad, TPH, Adyar, 1920.
The Lives of Alcyone, TPH, Adyar, 1924.
The Hidden Life in Freemasonry, Madras Theosophical Publishing, Madras, 1926.
Glimpses of Masonic History, TPH, Adyar, 1926.
The Chakras, TPH, Adyar, 1961.
The Science of Sacraments, TPH, Adyar, 1927.
The Master and the Path, TPH, Adyar, 1927.
参考文献 King, Francis: Sexuality, Magic and Perversion, Neville Spearman, London, 1971.


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