Jones, G[eorge] C[ecil] G.C. ジョーンズ (c.1870-1951) 魔法名 Volo Noscere (5=6, G.D.) D.D.S. (7=4, A.A.) ☆ 「黄金の夜明け」団の中心的魔術師の一人。アレイスター・クロウリーの師匠格に当たる人物であり、後にクロウリーのA.A.に参加するが、名誉毀損裁判をきっかけにクロウリーと離反している。 1895年7月、「黄金の夜明け」団参入。 1897年1月、セカンド・オーダー参入。 クロウリーの記述によれば、ジョーンズは、「炎のような、しかし不安定な気質の持ち主で、自殺者の息子である。その容貌は伝統的なイエス・キリスト像に極似していた」1という。 ジョーンズの職業は分析化学者であり、同時に錬金術の研究も行っていたようである。彼はクロウリーが「黄金の夜明け」団に参入する際に後見人となっており、ベネットとともにクロウリーが尊敬していた数少ない人物の一人であった。 1900年の「黄金の夜明け」団第一次分裂の際には、反乱軍に加担せず、自然退団の形を取っている。彼が魔術界に再び登場するのは1907年、クロウリーが創立したA.A.の首領格として迎えられてからである。以後、ジョーンズはクロウリーのパートナーとして様々な魔術実験を行っており、私生活に於いてもクロウリーの離婚の際の信託基金管理者の役を引き受けている。 ジョーンズがクロウリーと訣別する原因となったものは、1910年末に起きた三流新聞のクロウリー攻撃がきっかけである。この新聞には、クロウリーがその昔ジョーンズと同性愛関係にあったことを示唆する記述があり、妻と四児を持つジョーンズは新聞を名誉毀損で告訴したが、裁判自体が妙な方向に進んで「黄金の夜明け」団関係者が軒並み顔を揃える羽目になっている。結局ジョーンズの名誉回復はならず、彼としてもそれ以上クロウリーと付き合うわけにはいかなくなったのであった。 以後、魔術界ではジョーンズの名前は聞かれなくなっている。 1. Crowley, The Confessions of Aleister Crowley (London: RKP, 1979) p. 172. |
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主要著作 | |
参考文献 | Crowleyana generally. |
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