Buckton, Alice Mary
アリス・メアリー・バクトン
(1867-1944)


☆ 英国の詩人、劇作家、教育家。後半生に於いて神秘傾向を発し、グラストンベリーの聖域化と保全に尽力する。

 1867年3月9日、英国サレイ州にて出生。父親は化学系の研究者(後に天文学も研究対象とする)。少女時代はヘイズルミアに住み、同地に滞在していた詩人テニスンに可愛がられる。長じては女子教育運動、さらにフローベルやペスタロッチの教育活動に共鳴し、小規模私立校を設立して教育家として注目される。

 教育活動と同時に詩や戯曲も発表し、それなりの注目を浴びる。

 1907年頃からバハイ教に関心を示すようになり、神秘主義者たちとの交流を開始。その交友範囲にはフレデリック・ブライ・ボンドダイアン・フォーチュン、チューダー・ポール等が見受けられる。
 1913年にはロンドンを離れてサマセット州グラストンベリーに引越し、同地にて女学校を創立。グラストンベリーの水源チャリス・ウェルを買い取って保全につとめる。地元の人間とともに野外劇やページェントをプロデュースし、グランストンベリー・フェスティバルの原型を形成する。

 一次大戦後には私費を投じてグラストンベリーを題材とする映画を製作。労多くして実り少なく終わる。

 その後は女学校の運営、地元劇団による神秘劇上演を続けるが徐々に資金難に陥り、バクトン自身の老齢もあって活動は休止。1944年12月10日、他界。

 図はバクトンをモデルにしたと思われる「水汲みのルーン」の女。



主要著作 Through the Human Eyes, Daniel, Oxford, 1901.
The Burden of Engela, Methuen, London, 1904.
Eager-Heart, A Christmas Mystery Play, Methuen, London, 1904.
Daybreak, and other poems, Methuen, London, 1918.


参考文献
Cutting, Tracy, Beneath the Silent Tor, the life and work of Alice Buckton 1867-1944. St Andrew's Press, Wells, Somerset, 2004.




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