Alcott, A[mos] B[ronson] A. B. オルコット (1799-1888) ☆ 米国「超絶主義」 transcendentalism の“三首領”の一人。首領の代表であるエマソンに隠秘学的影響を与えている。 当時の革新的教育家であり、様々な物事に関心を抱いていたが、その範疇には、かなりのオカルト方面が含まれていたようである。エマソンがオルコットに触れていわく− 「彼[オルコット]はプロメテウスの寓話を好み、とりわけ太古の神話に見られる朧げな巨人の絵が好きだった。インドとエジプトの伝統も好きだったし、魔術や手相術や気質判断術や占星術の歴史も好きだった。なんであれ、習慣や限界にいらだちを見せたり、人間の本質という命題に挑戦しようという衝動を示しているものが好きであったのであり、そういったものを読むという経験の中に、科学の世界と我々にはまだ知られていない力の存在を宣誓かつ予言する暗喩を見出していたのでる。しばしば彼は古代の錬金術師の肖像画を体現しているかのようであった。彼は《絶対》を発見するぎりぎりの手前で何カ月にも渡って立ちつくしたまま考えこみ、手を伸ばせば届く、いつもながらの貧乏ゆえにくじけたりはしないと断言することしばしだったからである...」1 エマソンの作品にはしばしばパラケルススやアグリッパに対する言及、スウェーデンボリの影響が見られるが、これはオルコットとの交友に起因することろ大であろう。 オルコットは進歩的教育家という決して金にはならない天職に一生を捧げたため常に貧乏であったが、娘がベストセラーを書いたために後半生は比較的安穏であった。この孝行娘がルイザ・メイ・オルコット、『若草物語』の作者である。 1. Emerson, Selections from Ralph Waldo Emerson (Boston: HoughtonMifflin Company, 1957) p. 128. |
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主要著作 | Ralph Waldo Emerson: An Estimate of His Character and
Genius, in Prose and Verse, A. Williams, Boston, 1882.: Haskell House,
New York, 1968.
The Letters of A. Bronson Alcott, Iowa State Univ, Iowa City, 1969. |
参考文献 | Dahlstrand, Frederick : Amos Bronson Alcott, an Intellectual Biography, Fairleigh Dickinson, 1982. McCusley, Dorothy: Bronson Alcott, Teacher, Mcmillan, New York, 1940. Morrow, Honore : The Father of Little Women, Brown 1927. Sanborn, F.B.: Bronson Alcott at Alcott House, England, and Fruitlands new England (1842-1844), Torch Press 1908. Shepard Odell: Pedlar's Progress, The Life of Bronson Alcott, Brown, 1937. |
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