The Star 星

Isis, Mother of all the gods,
By thee th'aspiring Soul doth rise;
No more on Earth it blindly plods
But, Spirit-freed, mounts to the skies.

イシスよ、すべての神々の母よ、
汝によりて志ある魂は上昇す。
もはや闇雲に地上を歩むことなく
霊より解放され空へ昇る。

 この絵は『魂の道』の表紙絵に採用されており、ホートンにとっては重要な一枚であったことをうかがわせる。有角のイシスはハトホルすなわちエジプトのヴィーナスに通ずるから、志願者が目指す星は金星となるのか。足元の星が五芒、目指す星が六芒であるのはいかなる意図か。イシスの前をさえぎるものは山際か、雲か。謎多き一枚といえるであろう。全体、横目でイシスを眺めつつさらなる上昇を目指すという雰囲気であろうから、足元の五芒星は地球すなわちマルクトとなる。霊は金星=ネツアクを超えて六芒星たるティファレトを目指すといえば筋は通るであろう。

 そもそもマルセイユ版の星などは、描きたいものは星ではなくてエデンの園と川であるというのが小生の持論である。ホートンのこの札を従来のタロット論で語るのはほぼ無理と思われる。これをアルカヌムとして正式採用するのであれば、相応の小理屈が必要であろう。他にふさわしいデザインがあれば差し替えも大いに考えられる。




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