Strength 剛毅

The Two-in-One, with sword and shield,
Stand set within the Living Fire;
They move and all before them yield.
They move and ever mount yet higher.

一に結ばれたる二者は剣と盾とを構え
生ける炎のうちに立つ。
かれらが動けば万物がそのまえに屈する。
かれらは動き、さらなる高みを目指す。



 ホートンという人物は「本来ならば軍人になりたかった」(本人談)という火星気質の持ち主で、ゆえに霊的に完成した姿にも武装局面を用意している。この姿をタロットの剛毅に配することに異論はなかろう。シンプルな兜と鎖帷子、炎の剣と純白の盾といういでたちである。

 ホートンがイエイツに宛てた書簡中に、面白い一節があるので紹介しておく。

 「ミカエルはいまだ僕に取りついているというか、僕はかれに浸透されている。僕の霊体はいま、最高に光り輝く鎖帷子をまとっている。小さな太陽のように輝く円環というか炎の環というか、それを幾重にも編んで作られた鎖帷子だ。

 わが頭上に火炎の兜、
 わが胸に火炎の十字、
 わが左腕に火炎の丸盾、
 わが右手に火炎の三叉の剣。
 岩の上に立ち、われは戦い、あるいは守る。

夜になって妄想がわくと、この剣を一振りするだけで追い払える。ぼくの外見がこのように防御的あるいは攻撃的になり、心は不撓不屈になろうとも、内なる霊は大いなる神イエス・キリスト、その名を口にしてはならぬ彼/女のまえに最大最高の謙譲をもってひざまずいている。キリストなくしてぼくは存在しないからだ。
 おそらくきみはこういう姿をとってミカエルを名乗るぼくの訪問を受けるかもしれない」

 この手紙が書かれたのは1896年8月、ホートンが「黄金の夜明け」団を退団した3ヵ月後のことである。かれの在団期間はわずか2ヶ月であるから、おそらく第一講義文書と小五芒星儀礼しか学んでいないはずだが、はや天使の姿をまとう術を身につけている点が興味深い。



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