The High Priestess 高等女司祭 I, the Concealed, descend and move The hearts of men in ways unknown, Their strength of Soul I sternly prove, Untill full statured they have grown. われは降りきたる隠されし者、 人の心を知られざる方法にて動かさん。 人の魂の剛健をわれは厳格に証明せん、 それらが十分な大きさに育まれるまで |
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「高等女司祭」はヴェールに包まれたまま、都市を背景に「ホルスの合図」をなしている。 その意味するところは都会にて発展した密儀、というところであろうか。この札はいまだアルカナムとして採用が決定しておらず、差し替えもあり得ると言っておこう。次の「女帝」とペアになることで立場が明確になるのである。 高等女司祭には神秘的な美女を配置する手もあろう。ホートンの場合、理想の女性像は「ローザ・ミスティカ」と称されており、1897年の『イメージの書』当時から繰り返し描かれている。ホートンがイエイツ宛の書簡にて語るところによれば、「ぼくは子供の頃からいつもどこかの女の子と恋に落ちてきた。どこかの女の子を理想化し、高みに据えておいてから、彼女のためにわが身を浄化しておこうとしてきた。あの娘がだめなら次の娘という具合だった」。持って生まれたこの性分に神学的保証を与えたのがトマス・レイク・ハリスの「相対天使論」であったと思われる。すなわち人生の目的は天界にて生き別れとなった天使と再会し、結ばれ、天界に復帰することにある。ホートンの不幸は結婚後にこの思想にはまった点にあったが、やがて実際にローザ・ミスティカに出会ってしまうのだから人生は不可解なのである。 |