Little, Robert Wentworth
ロバート・ウェントワース・リトル
(1840-1878)


☆ 英国薔薇十字協会 Societas Rosicruciana in Anglia SRIA の創立者。初代「至高術士」。

 1840年出生。幼少時の経歴不詳。
 もともと聖職を目指すも途上にて方向転換し、ダブリンにて公務員をしていた模様。
 1861年5月、アクスブリッジにてフリーメイソンリーに参入。
 1862年にロンドンに転出、ほどなくフリーメイソンズ・ホールの専従職員となる。フリーメーソンリー内部での昇進は迅速であり、1866年には出納係、さらに王立メイソニック女子学院院長、ミドルセックス地区書記長から同地区グランドマスター代理と出世している。週刊「フリーメイソン』誌の初代編集長でもある。

 1866年、ユナイテッド・グランド・ロッジ内にて薔薇十字文書が発見されたという宣言のもと、ドイツの黄金薔薇十字の組織を模した「英国薔薇十字協会」を創立。初代会長におさまる。このときの「薔薇十字文書」は二代目会長ウッドマンに引き継がれておらず、リトルの死去とともに行方不明となっているため、その実在を疑う人も多い。なぜ「薔薇十字」だったのかという疑問には、当時ブルワー・リットンの『ザノニ』が評判を博しており、これに乗ったとする説が有力。リトルはのちにブルワー・リットンを同会のグランド・パトロンに勝手に推挙している。

 1878年4月12日、39歳の若さで死去。

 リトルはメイソンリー関係のあやしげな位階や儀礼を「創立」あるいは「発掘」して運営することを趣味としており、英国薔薇十字協会もそのひとつであった。リトルが創った組織としては他に「ローマおよびコンスタンチノープル帝国聖職軍事赤十字騎士団」などがあげられる。


 

主要著作

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参考文献 Westcott, William Wynn, The History of the Societas Rosicruciana In Anglia, privately printed, London, 1900.
Waite, Arthur Edward, The Brotherhood of the Rosy Cross, Rider, London, 1924.
Howe, Ellic, Fringe Masonry in England 1870-1885, Holmes Publishing Group, Edmonds, WA, 1999;


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