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七格言 第三集

第十五の格言

オリンポス霊と呼ばれるもの、蒼穹のなか、蒼穹の星のなかに住まう。その職能は宿命の宣言であり、神の許しがあれば必殺の魔力を振るう。悪霊であれ凶運であれ、神の懐に避難する人間には力が及ばないからである。ゆえにオリンポス霊が支配星を用いていかなる予言をなそうとも、神の許しがなければそれを実行に移すことができない。霊に実行力を与えるのは神のみである。万物の創造者である神には天上月下冥府の万物が従うのである。されば安んずべし。万事神を案内とせよ、されば万事好都合におさまるであろう。それは全世界の歴史が、そして日常の経験が証明するとおりである。神のもとに平安あり。よこしまなる者に平安なし、と主もいわれる。


第十六の格言
オリンポス霊に七つの異なる統府あり。神はこの世の枠組みと宇宙の統治を七霊に委ねたる。その可視なる姿の星は、オリンポス語で呼ぶならばアラトロン、ベトホル、ファレグ、オウク、ハギス、オフィエル、ファルなり。どの星も蒼穹のなかに大いなる軍勢を有するものなり。

ARATRONは四十九の可視領域を治める。
BETHORは四十二。
PHALEGは三十五。
OCHは二十八。
HAGITHは二十一。
OPHIELは十四。
PHULは七。

ゆえに全天に186のオリンポス領域があり、七人の総督が力をふるう。すべては天文学にて端正に述べられているが、この場にてはいかにして総督とその力に接触するかを説明するにとどめる。アラトロンは土曜日の第一時刻に出現し、彼の領土と属領に関する質問にすべて正直に答える。同様に他の霊もそれぞれの曜日と時刻に従って出現する。またそれぞれの霊は490年を支配する。かれらの単純な近点離角はキリスト誕生前60年、ベトホルの統治から始まる。それが紀元430年まで続いた。それをファレグが920年まで継いだ。さらにオウクが1410年まで治め、さらにハギスが1900年まで統治するものなり。


第十七の格言
魔術的にいえば、七総督たる君主たちを呼び出すには、可視不可視をとわずかれらの支配日、支配時刻に、神がかれらに与えた名前と役職名を用いる。またかれらが与える或いは承認する記号を用いる。
 総督アラトロンが有する力は、通常天文学において土星の力とされる事物をごく自然に行うことにある。

 かれが自由意志にて行う事物とは
1 外見はそのままにいかなる動植物をも一瞬で石に変える。
2 宝物を石炭に、石炭を宝物に変える。
3 一定の力を持つ使い魔を与える。
4 錬金術、魔術、物理学を教授する。
5 小人族と人間との和解をとりもつ。毛深い人間を作る。
6 人を不可視にする。
7 不毛なるものに結実をもたらし、長命を与える。

かれの記号

かれは配下に49王、42君、20公、21臣を従える。14の使い魔、7人の伝令。36000の霊の軍団を指揮する。一軍の数は490である。

ベトホルは木星に割り当てられる事物を支配する。かれは呼ぶとすぐに現れる。記号を用いる召喚者を大いに出世させ、宝物庫の扉を開く。かれは空気の霊との和解をとりもち、空気の霊が正しい回答をするようはからう。宝石をある場所からある場所へと移動させ、また薬の効果を奇跡に近いものにまでする。かれはまた蒼穹の使い魔を与え、神の許しがあれば700年の寿命をくれる。

かれの記号

ファレグは平和の君主たる火星に割り当てられる事物を支配する。記号を持つ召喚者には戦において大いなる栄誉をもたらす。

かれの記号

オウクは太陽の事物を支配する。完璧に健康な寿命600年を与える。大いなる叡智を授け、もっとも優秀な霊を与え、完全なる医学を教える。万物を純金と宝石に変換する。かれの記号を持つ召喚者を、全世界の王たちが神とあがめる存在にする。

かれの記号

 かれは36536の軍団を率いる。万事を単独にて司る。そしてかれの霊たちは何世紀もかれに仕える。


ハギスは金星の事物を支配する。かれの記号を持つ召喚者をとても立派にし、すべての美で飾る。一瞬のうちに銅を黄金に、黄金を銅に変換する。かれが与える霊たちは、差し向けられた相手に忠実に仕える。

かれの記号

 かれは4000軍団の霊を率いる。1000の霊ごとに季節を区切って王を任命している。


オフィエルは水星の事物を支配する。かれの記号はこれである。

かれは10000軍団の霊を率いる。簡単に使い魔をくれる。あらゆる芸を教える。記号を持つ召喚者には、一瞬で水銀を賢者の石にする能力を与える。


ファルの記号はこれである。

かれはあらゆる金属をまちがいなく銀に変換する。月の事物を支配する。水腫を治療する。かれが与える水の霊は肉を備えた可視の姿で奉仕する。人の寿命を300年にする。


この秘術の要訣

1 総督たちも霊たちも、みな自然の法則にしたがって作用する。神が妨げない場合、自らの自由意志で自然の法則に従わない場合もある。
2 総督たちはみな、自然が長時間かけて準備することであればなんでもできる。また突如として準備のない状態でも行うことができる。たとえば太陽の事物の君主オウクは長時間かけて山中に黄金を準備する。錬金術によって短時間で精製する。魔術によって一瞬で出現させる。
3 真の神聖魔術師は神のすべての被造物、すべての総督の役職を意のままに用いる。世界の総督たちは職務を心得ており、呼ばれれば到来し、命令を達成するのである。しかし神のみがすべての発端である。ヨシュアが太陽を中天にとどめたように。
 総督たちは配下の霊を卑小なる魔術師に差し向ける。霊は一定の要件にのみ魔術師の意に従う。しかし霊たちは偽者の魔術師の言葉には耳を貸さず、むしろ魔術師を悪魔の偽りへと誘い、神の命によってさまざまな危険へと落とし込む。預言者エレミヤが第八章にて語るユダヤ人のように。
4 あらゆる元素のなかに七総督と軍団あり。かれらは蒼穹の運動と同調して動く。そして哲学にて教わるように、劣等なるものは優等なるものにつねに依存する。
5 真の魔術師である人間は生まれながらに魔術師である。さにあらずしてこの職務に身を捧げる者は不幸である。これこぞバプテスマの聖ヨハネが語ったことである。「人間は天から与えられずしては、ひとりではなにも行えない」。
6 霊から与えられる記号はどれも一定の期間内、一定の案件に関して効力を有する。しかし与えられた際の惑星時間、惑星曜日において用いるべし。
7 神は生きる。そして汝の魂も生きる。汝の契約を守れ、されば汝は霊が明かす万物を神のなかに持つであろう。霊が汝に約束するものはすべてなされるからである。
第十八の格言
オリンポス霊に他者より伝えられたる別名あり。されど名前は可視不可視の啓示者である霊によって伝えられる場合にのみ有効である。また名前が伝えられる人間はまえもって決まっている。さればこそかれらは星座と称される。そして名前は40年以上の効力を有さない。されば若き修行者よ、霊の名前を知らず、ただその職名のみにて作業をなそうとも至極安全であると知れ。魔術に達すると定められている若者であれば、術の残りの部分はおのずとかれのまえに到来するであろう。されば心揺らぐことなく祈るべし。されば神はしかるべきときに万物をもたらすであろう。


第十九の格言
オリンポスとその住人は自らの意思で人のまえに霊の姿をとり、臣従する。そして望むと望まざるにかかわらず職務を果たす心構えでいる。望まれて仕えるとなれば、かれらはどれほど奉仕してくれるであろうか? されど悪霊も、また悪魔の悪意によって生まれた破壊者も出現する。そして人は自ら罪によって悪霊たちをひきつけるのであるから、それは罪人にふさわしい懲罰といえよう。だれであれ霊と親しく会話を交わすことを望む者は、すべての罪悪を避け、至高なる神のご加護を一心に祈るべきである。さればあらゆる悪魔の陥穽と妨害を打ち破れるであろう。そして神への奉仕に献身する者は、神からさらなる叡智を授かるのである。


第二十の格言
霊を信じ、霊を喜んで受け入れる者には万事が可能である。されど不信心者や熱意のない者には万事が不可能である。移ろう心、軽率、三日坊主、無駄口、酩酊、肉欲、神の言葉に従わないこと、これらにまさる妨害はない。ゆえに魔術師たるもの、品行方正、言行一致、堅忍不抜、熟慮慎重にして聖なる叡智のみを求める人物でなければならない。

第二十一の格言
オリンポス霊を呼ぶ際は、その日の日の出の時刻に、汝の希望に合った霊を呼ぶよう心がけよ。そして次なる祈りを唱えれば、汝の願いはかなえられるであろう。l

全能にして永遠なる神よ、すべての被造物に汝への賞賛と栄光と、人間の救済を義務付けたる者よ。われ汝に嘆願せん。われに太陽の霊団より霊○○を寄こしたまえ。われが尋ねることに答え教える霊を与えたまえ。あるいは、われに水腫を治す薬を与える霊を寄こしたまえ等々。それでいてなお、わが意図ではなく、神のひとりごイエス・キリストを通じて汝の意図するところが行われますように。アーメン。

 されど汝は、よほど親しくなつかないかぎり、霊を丸一時間その場にとどめてはならない。

 汝、平安かつ静寂のなかにわがもとに来る。そしてわが嘆願に答えたる。われは汝をよこしたる神の名のもとに神に感謝を捧げるものなり。されば汝、平安のうちに汝の霊団へと戻るがよい。そしてわれが汝を創造主に与えられ名前で、あるいは霊団名で、あるいは役職名にて呼びだすときは、ふたたびわがまえに現れよ。アーメン。

伝道の書第五章 「神のまえで軽々しく口をひらき、また言葉を出そうと、心にあせってはならない。神は天にいまし、あなたは地におるからである。それゆえ、あなたは言葉を少なくせよ。夢は仕事の多いことによってきたり」


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