Hoene-Wronski,
Josef Maria ハーネー・ウロンスキー (1778-1853) ☆ ポーランド難民の神秘主義者、数学者、発明家。レヴィに多大な影響を及ぼす。 1778年8月24日、ポーランドの名門ハーネー家に出生。陸軍幼年学校に学び、16歳でポーランド陸軍の砲兵将校となる。 ポーランド分割の際の戦闘でプロイセン軍の捕虜となるが、ロシアのワルシャワ入城により解放される。そのままロシア軍に参加して転戦するもポーランド独立の夢捨て難く、ポーランド解放軍に加わるべくフランスに向かう。途中、ドイツでカント哲学を修め、マルセイユにたどりついた時には解放軍に参加する気はなくなっていた。 フランスでは天文学と数学を研究して複雑怪奇な神秘的宇宙論を考案、また永久機関や新兵器、未来予知機等の発明に熱中、どれも世に受け入れられず、赤貧を洗う。ウロンスキーという名前をこの頃採用する。 ウロンスキーの哲学は彼の故国ポーランド伝統の「メシアニズム」1に根差すものであり、彼の数学もカバラの影響が濃い。宇宙の真理を数学的に把握しようという彼の哲学は、最晩年の弟子エリファス・レヴィに訴えるところ大であった。 1853年、 貧困の内にパリにて死去。 1. ロシアとドイツに挟まれ、数限りなく苦難をなめてきたポーランド独特の宗教観。ポーランドの苦難をユダヤ人とキリストの苦難と同一視して自らを救世主とみなす被虐的選民思想。 |
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主要著作 | Messianisme, ouer forme absolue du savoir humain,
Paris, 1847. |
参考文献 | Webb, James: Flight from Reason, Macdonald, London,
1971. |
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