Hamnett, Nina
ニーナ・ハムネット
(1890-1956)


☆ 1910年代から1920年代の芸術界全般を泳ぎまわった画家。魔術界とのかかわりは主にクロウリーとの交友と、後の自叙伝発表によるクロウリーとの名誉毀損裁判ざたによる。

 ハムネットは1890年2月14日、ウエールズ南部に出生しており、ごく一般的な家庭に育つが、生来の反抗的性質のゆえか、いっぱしの不良少女となる。絵画の道を志し、ロンドン美術学校に入学、21歳で独り立ちして当時流行していた“ボヘミアン”の一員となる。この時期、クロウリーと出会い、四大精霊のパネルを描く仕事を引き受けている。

 1913年にボヘミアンの本場、パリはモンパルナスに移り、モジリアニや藤田嗣治、川島理一郎などと交友を結ぶ。一流の芸術家多数が友人に多いのがハムネットの売り物であり、他にはマリー・ローランサン、ピカソ、エリック・サティ、コクトオ、ジョイス等があげられる。
 1932年、ハムネットがそれまでの半生を自叙伝 Laughing Torso として発表すると、自分に関する記述に立腹したクロウリーがハムネットと出版社を告訴、法廷闘争を展開して結局のところ敗訴している。(この件に関しては両者馴れ合いの茶番説あり)。
 ハムネットはその後も華麗な芸術交流を続け、各所で個展を開いている。

 1956年12月、自室の窓から転落して死亡。

主要著作 Laughing Torso, Constable, London, 1932.: Virago Press, London, 1984.
Is She a Lady, London, 1955.
参考文献


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