Gonne, Maud
Mrs Shaun Macbride
モード・ゴン 
(1865-1953)

魔法名 Per Ignem Ad Lucem (G.D.)


☆ アイルランド独立運動の闘士にして女優。イェイツの永遠の恋人。イェイツに誘われて「黄金の夜明け」団に参入したため、一時的ながら世紀末オカルトに関係する。

 やはりアイルランドの血のなせるわざか、幼少の頃より神秘体験、心霊体験が多く、前世の魂の形骸につきまとわれたりしたという。その種の体験のことをイェイツやマグレガー・マサースに相談するうちに、「黄金の夜明け」団に勧誘されている。

 1891年11月、イシス・ウラニアテンプルに参入。半年後、3=8に達して退団。ゴンが団に興味を失ったのは、団がフリーメイソンリーと共通する要素を有していたからであり、彼女にとってはフリーメイソンリーは大英帝国の出先機関にしてアイルランド抑圧の手段と思われたのである。

 その後もゴンは1898年前後にイェイツに付き合って、パリのマサースと共同して「ケルトの神々復活」のための魔術作業に参加している。彼女の面白いところは、意外に儀式や象徴的行為の効果を馬鹿にしない点である。よく篭に小鳥を閉じ込めて演説会場に臨み、演説をぶちおわってから小鳥を空に解放して、アイルランドを象徴させていたそうである。

 魔術の歴史や発展に寄与した存在ではないが、「黄金の夜明け」団の有名人を語る際によく引き合いに出される。その美貌をもって知られる。


主要著作 A Servant of the Queen, Victor Gollancz, London, 1938.

参考文献 Colquehoun, Ithell: Sword of Wisdom, Neville Spearman, London, 1975.
Greer, Mary K.: Women of the Golden Dawn, Park Street Press, Vermont, 1995.


目次に戻る