Sinnett, A[lfred] P[ercy]
A. P. シネット
(1840-1921)


☆ 神智学を英国とヨーロッパに広めるきっかけを作った人物。

 1840年、英国に出生。ジャーナリストとして活動する一方、心霊術にも大いに興味をもつ。
 1879年、 インド・アラハバドの有力英字紙『パイオニア』の編集者時代に、インドに現れたブラヴァッキーに接して感銘を受け、神智学協会に入会。協会にいれこみすぎて新聞社を解雇される。
 1881年、ロンドンに帰還して、インドでブラヴァッキーがなした数々の奇跡や「マハトマ」のことを二冊の著書にして発表。またたくまに神智学協会ブームを巻き起こす。それまで神智学協会は米国やインドでこそ有名であったが、英国では殆ど知られていなかったのであり、シネットの著書に接して多くの心霊主義者が興味を持つようになっている。
 1884年、英国入りしたブラヴァッキーを迎えて英国神智学協会の代表的存在となるも、協会の“敵”心霊調査協会との仲の良さ
1が災いして協会内での立場は微妙なものとなる。ブラヴァッキーはシネットを無視してロンドンにブラヴァッキー・ロッジを開設、その活動の中心を秘教部に置いたために、秘教部のメンバーではないシネットは冷や飯を食わされた。
 1888年、アニー・ベザントが協会に現れてからは完全に蚊帳の外に置かれ、ほぼ引退となっている。

 その後はオカルト作家として数々の作品を発表し、1921年に死去。

  1. シネットは心霊調査協会の創立者の一人であるF.W.H.マイヤーズと親交を結んでいた。


主要著作 The Occult World , TPS, London, 1881.
Esoteric Buddhism, TPS, London, 1883.
Karma, A Novel, Chapman and Hall, London, 1885.
The Purpose of Theosophy, Chapman and Hall, London, 1885.
Incidents in the Life of Madame Blavatsky, George Redway, London, 1886.
Rationale of Mesmerism, Houghton, Mifflin and Co., Boston, 1893.
Growth of the Soul, A Sequel to "Esoteric Buddhism", TPS, London, 1896.
Occult Essays, TPH, London, 1905.
Nature's Mysteries, and how theosophy illuminates them, TPH, London, 1913.
Collected Fruits of Occult Teaching, Unwin, London, 1919.
Tennyson an Occultist, As His Writings Prove, TPH, London, 1920.
The Early Days of Theosophy in Europe, TPH, London, 1922.


参考文献


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