Ziito, Zyto
ツィートー


☆中世ボヘミアの大魔法使い。

 出自、生没年、ともに不明。ボヘミア国王ウェンセスラス四世に仕えた宮廷魔術師。常に使い魔に取り囲まれており、最終的に悪魔に連れ去られたという伝説の持ち主。
 1389年の国王再婚の儀にあたり、余興のために内外から集められた魔術師たちを相手に一大魔術合戦を行っており、その際のエピソードが有名である。ツィ―トーは大口を開けてライヴァルたちを飲みこむという荒業を披露したという。
 さらには国王の寵愛をバックに宮廷内で権力を振るうようになり、最終的に謀殺されたとも追放されたとも伝わっている。

 ツィートーは宮廷魔術師から宮廷道化師への移行期に出現した最後の大物といってよい。かれがなしたとされる魔術はすべて現在でも再現可能なトリックものが多く、有能なステージマジシャンであったと思われる。


主要著作
参考文献 Butler, E.M. The Myth of the Magus, Cambridge University Press, London, 1979.


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