賢主星従

Sapiens Dominabtvr Astris



太陽、月、惑星および天界をいろどる星たちが天空を運動する目的は、
単にわれらの目を楽しませるがためにあらず、
昼夜をわかつがためにあらず、
季節を、年月を、時を刻むがためのみにあらず。
われらが夜毎に見つめる星たちも神の御手によるものと思え。
されば上空の惑星よりインフルエンスがわれらに
力を及ぼすことは理屈にても常識にても理解できよう。
惑星の動くとき、われらの体も変化する。
さらに聖典の教えるところ、より小さき星の集うオリオン
あるいはプレアデスと名づけられたる場にも同様の力あり。
されど結論を急ぐなかれ。心は星たちのインフルエンスに従うべく
拘束されたるものにあらず。星たちの意向に抗えぬものにあらず。
星たちは肉体の気質を形成し、さらに心は肉体と同様の傾向を有しがちであるが、
神の恩寵によりわれらは定められた運命をも導く別の気質を確保するものなり。
人の魂は天球よりも貴きもの、
しかるべき座を得るならばその支配は地上のみにとどまらず
神の創りたるものすべてを統べる主とならん。
神において賢明たれ、そして正しき義とともにあれば
太陽も月も汝にかしずくであろう。

from A Collection of Embleme, Ancient and Moderne by George Wither (1635)



解説: ジョージ・ウィザーの『古今エムブレム集』(1635)にある「サピエンス・ドミナビツル・アストリス」(賢者は星を支配する)の寓意図。このラテン語は黄金の夜明け団の架空達人シュプレンゲルのモットーとされており、よく出典が取り沙汰される。プトレマイオスの『アルマゲスト』の書き出しや、1885年にアンナ・キングスフォードが出した『神学占星術』の中扉にあるSDAが有名だが、このウィザーも十分に候補入りできるであろう。




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