☆ 放浪者タロットの「剛毅」は「猛獣使い」です。虎を、獅子を、象をあやつり、服従させます。

 鞭を使い、飴を使い、野生に対する人知の優越を証明してみせます。

 単独で放浪することはなく、たいていサーカスの一員となっています。

 


 「運命の輪」が小動物芸なら、「剛毅」は猛獣芸。さよう、このあたりからタロットはサーカスと化しておるのです。

 猛獣使いという芸は、往々にして美麗なる女性が行います。まさに美女と野獣を地でいくわけでして、さらにいえば美女もかなり強烈なタイトレザー系のコスチュームで鞭を振りまわしたりするものですから、別の顧客層の掘り起こしも可能だったりするという。さよう、サーカスは子供から大人まであらゆるレベルと視点での鑑賞が可能なのですな。

 「猛獣使い」という芸は、おそらく、人間とライオンを戦わせる見世物(ローマ時代に実例あり)あたりから派生したのでしょう。その後、キリスト教徒をライオンの餌にするという見世物(これまた実例あり)が流行りまして。そういった情景のなかで少女がライオンを手なずけたという伝説が生まれておるわけで、その再現という意味合いもあると思われます。

 そもそもライオンを手なずけるというのは古くは預言者ダニエル、のちに聖ヒエロニムスへと伝承される由緒正しい伝統芸能なのです。



カードの意味 : 勇気、力、雄々しさ。

カードの意味 : 捕獲された大いなる力。手かせ足かせ。やがて悲しきボリショイの熊。

戻る