☆ 放浪者タロットの教皇はいんちき司教です。いろいろあって破門された神父さま、ほかに身過ぎ世過ぎも心得ず、○○と○○は三日やったらやめられないわけで。

 祝福一回銀貨5枚。金貨三枚出せば特別にありがたい聖遺物を拝ませてもらえるのであります。

 しまいには「われが湯浴みせし湯を服せば万病平癒とならん」などと称し、お湯の瓶詰めを売りつける。

 ある意味、確信犯中の確信犯ですから、逃げ足は遅いようです。


 英語では“Bishop at large”とか“Wandering Bishop”といいます。「野放しの司教」、「放浪司教」といいまして、まあろくなもんじゃありません。

 破門された司祭がとりあえずなすことは、教会のお宝や備品の持ち逃げであります。実は愛人にしていた尼僧を連れて逐電といったスキャンダルもよく聞きます。しかし他の商売に鞍替えするのも容易ではない。結局はお定まりのインチキ聖職に落ちつくわけで。

 そして困ったことに、インチキ聖職とちゃんとした聖職のあいだに差異を見出すことがきわめて困難なのです。免罪符にホンモノもニセモノもあったもんじゃないわけでして。

 「これこそは聖セバスチャンご幼少のみぎりの頭蓋骨」といった詐欺ですから、だまされるほうにも多少問題があるでしょう。



カードの意味 : 宗教、礼拝。宗教関係の詐欺、犯罪。いんちき聖水、いんちき護符、いんちき聖書。(なら、ホンモノは? それは聞かない約束よ、おとっつぁん)。

カードの意味 : トレント公会議におけるカウンター・レボリューションおよびその周辺の事情。

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