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☆ 放浪者タロットの魔術師は、いかさま賭博師です。ことの性質上、一箇所に長居は出来ません。 カップ三個に赤玉ひとつ、どれに入っているかしら? さあ、張った、張った、張って悪いはオヤジの頭、張らなきゃ食えない提灯屋。適当に射幸心をあおり、適当に儲けさせ、最後はしっかりとイカサマでしめるわけです。 その際に用いられる指先の技術は、まさに超絶技巧と申せましょう。 | |
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おそらく中世、いやルネサンス、いや近代に入っても、一人の人間が手品師といかさま賭博師を兼業していたケースが多かったと思われますな。さらにカードがからめば、手品師にしてイカサマ賭博師にして占い師なる人物もいたでしょう。相手次第で三つの顔を使い分けるのですわ。
下はヒエロニムス・ボッシュが描く「手品師」(1450年頃)。大道賭博の典型例といえるでしょう。また、手品師の足元にいる犬に注目。こういう状況での犬は、描かれた人物が放浪者であることを示す作画上の約束事なのです。
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カードの意味 : 大道芸系賭博、三山崩し、福引、くじ。いかさま、いんちき。香具師。
カードの意味 : 指先、技巧、器用。器用貧乏。小さい勝負。目先の利益、小銭、小遣い稼ぎ。