涙する世界



Messages of Sympathy and Consolation to
The World in Tears

Robert Hays, London, 1915.

第一次世界大戦の悲惨さが明らかになった1915年、英国の銃後を霊的に支援すべく登場した小著である。寄稿者は表題にもある当代流行作家のマリー・コレリを筆頭に、著名な宗教家や作家が勢揃いしている。

まえがきによれば、この企画の推進者は「インターナショナル・サイキック・ガゼット」誌の編集者ジョン・ルイスであり、各界著名人に善意の寄稿をお願いして完成したものであるという。発起人が心霊術関係者であったためか、お願い先のなかにウィン・ウェストコット、アーサー・エドワード・ウェイト、G.R.S.ミードが含まれていた。さらに各人の寄稿文の末尾に本人の署名が印刷されているため、オカルト的に貴重な資料となっている。



聖なる静寂と安息の領域

ウィリアム・ウィン・ウェストコット博士

私は転生を堅く信ずる者であります。この戦争にてドイツ陸海軍の蛮行を鎮撫せんとして落命された方々は、苦しみに満ちた肉体を去って聖なる静寂と安息の領域へ移行されたものと確信しております。かれらの魂は再生され、将来ふたたび人の肉の衣をまとい、さらに価値のある生を、より試練を少なくして経験されるでありましょう。そしてさらに高められた精神的かつ道徳的能力を発揮されんことを期待しております。

署名





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