TOM CHARMAN

(1863-1939)



トム・チャーマン (1863-1939)

☆ 英国はニュー・フォレスト地区に住んだ画家、彫刻家、妖精観察者。

 詳しい来歴は不明。1890年前後には童話本の挿絵画家として活動を開始している。腹話術と形態模写の大道芸人としても活動し、ロマの人々とともに放浪生活を送った模様。

 『オカルト・レヴュー』誌1917年3月号にて妖精見者として紹介され、斯界の注目を浴びる。
 コナン・ドイル著『妖精の到来』(1922)にても以下の如く紹介されている。

「この驚くべき才能を有するとされる男性として、トム・チャーマン氏があげられる。氏はニュー・フォレストに自分用の観察小屋を建てており、昆虫学者が蝶を追いかけるように妖精を追い求めておられる。私の問い合わせに対する氏の回答にいわく、氏は幼少の折からヴィジョンの力を得ていたが、自然との距離に比例して力は強くなったり弱くなったりしていたとのこと。この見者によれば、妖精には多くのサイズがあり、小は数インチから大は数フィートまであるという。男性、女性、子供もいる。彼らが音を発するところを聞いたことはないが、おそらく音は出ていると思われる。わたしたちの聴覚を越える繊細な音を出しているだろう。日中のみならず夜間でも目に見えるし、蛍ほどの大きさの小さな光をいくつも見せてくれる。いろいろな服装をしている。とまあ、チャーマン氏は説明している」 コナン・ドイル『妖精の到来』140頁
 
その評判は大西洋を越えて米国にも達したようである。

 「英国はニュー・フォレストに住む画家、トム・チャーマンは最近英国心霊科学カレッジにおいて驚くべきことを語っている。かれは聴衆のまえに数個の石を置き、その石に妖精が自分の似姿を彫刻していると言ったのである。この権威によれば、妖精は日中よりも夜間のほうが見えやすいとのこと。『身長は数インチから二フィート半まで』とかれは語った。『かれらはスピリット・フェアリーであり、適切な状態下では物質化することができる。妖精には4種類あって、地、火、水、空気の妖精がいる。わたしはかつて巨大な白い都を見たことがある。行列のようものがそこに向かっていた。中国や日本の妖精もいた』」。ニューヨーク・タイムズ1926年12月12日付

 トムー・チャーマンに関して特筆すべきは、いわゆる「コティングレー妖精事件」よりもずっと前から妖精観察を行っている点にある。1926年には「妖精調査協会」の設立にも寄与している。

 彫刻家としては、ニューフォレストの倒木の自然の造形を利用する木彫に秀でており、好評を博していたという。




from The Occult Review 1917 March.

トム・チャーマンを大々的に特集した最初の雑誌であり、編集長自ら取材して解説文をつけている。チャーマンに関する主要文献の筆頭であり、また彼の作品を多数収録している。

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「チャーマンのキャラバン」

「インド人の守護霊」

「牝牛と妖精たち」

「人間蛙とサイキックエルフたち」

「キノコのなかのエルフの巣」

「突撃豚に乗るエルフ」

「エルフと蛇」

「風の霊」






倒木細工の蛇を手にするチャーマン





Whispers From Fairyland by Charles Roper (London: John Heywood, no date [c1890]. illustrated by Tom Charman.

 チャーマンが挿絵を担当した数少ない作品のひとつ。コミカルな線画が多数収録されている。
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bibliography


-- The Occult Review 1917 March issue "The Seer of the Nature Spirits" by the Editor. (London: William Rider and Son).
Conan Doyle, Arthur. The Coming of the Fairies, Hodder and Stoughton, London, 1922.

Roper, Charles. Whispers From Fairyland, John Heywood, London, no date.
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