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魔術師の標準的本棚 英語篇 |
* とりあえずこれだけ揃えておけば、というあたりを年代順に並べていきたいと思います。英語篇と銘打っておりますように、英語文献をメインといたします。大陸系の作品やグレコ・ローマンの古典も、英訳されたもののみを扱います。
* いわゆる名著、エポックメーカーの類を網羅したく思います。あれが落ちてる、これを入れろといった注文は掲示板のほうにお願いいたします。
* セレクションにあたっては、印刷物のみを対象といたします。アシュモレアンのコデックス云々といった議論は別の機会に行います。
* 解説文中の価格は2004年12月末の古書市場価格であり、厳密なものではありません。
総合系
Scot, Reginald. The Discoverie of Witchcraft (London: 1584, 1651): (London: John Rodker, 1930).
ご存知スコットの『魔術暴露』。初版の入手はほぼ不可能。現在市場に出回っているのはロドカー版(1930)のリプリント。
1250部限定のロドカー版が手に入るならそれに越したことはないが、おそらく500ドルはとられる。
Agrippa von Nettesheim, Henry Cornelius. Three Books of Occult Philosophy or Magic ( London: 1651).
アグリッパの『隠秘哲学三書』の英訳本。ときどき3000から5000ドルくらいで市場に出ることあり。普通はリプリントで十分。
Meric Casaubon ed. A True & Faithful Relation of What passed for many Yeers Between Dr. John Dee and Some Spirits (London: 1659)
これぞ『ディー日記』、エノキアンの源流。初版はどこにあるのやら。アントワンの復刻本を探すべし。300ドルなら即購入。
Barret, Francis. The Magus, or Celestial Intelligencer, (London: Lackington, Allen, 1801).
バーレットの『術士』。ペーバーバックでいいから一冊本棚に並べとくべし。
Blavatsky, H. P.. Isis Unveiled 2vols. (New York: 1875).
ブラヴァッキーは『イシス顕現』を押さえておけばよい。神智学協会出版のペーバーバックあり。
Levi, Eliphas. Transcendental Magic (London: George Redway, 1896)
- - Mysteries of Magic (London: Kegan Paul, Trench, Trubner & Co., 1897).
あろうことかウェイトによるレヴィの英訳。とりあえず書棚の飾り。良いも悪いも当時はこれしかなかったのだ。
Waite, Arthur Edward. The Brotherhood of the Rosy Cross (London: Rider, 1924).
とりあえず英語で薔薇十字となるとやはりこれか。大筋をマッキントッシュで掴んでから読むべし。
GD系
MacGregor Mathers, S. L.. The Kabbalah Unveiled (London: 1887).
- - The Book of the Sacred Magic of Abra-Melin the Mage (London: 1898)
マサースから二冊。ともに初版はあきらめるべし。とはいえペーバーバックも情けないので、70年代のハードカヴァーを入手すべし。
Crowley, Aleister. Magick in Theory and Practice (Paris: Lecram, 1929).
- - 777 Revised (London: Neptune, 1955).
クロウリーは膨大な作品群を残しているが、とりあえずこの二冊は外せまい。マニアならば初版をさがせ。
「理論と実践」はサイン本でないかぎり1000ドルはしない。777は200ドルでなんとかなるはず。
マニアでない人はウェイザーのハードカバーでお茶を濁すべし。
Forune, Dion. The Mystical Qabalah (London: Wiiliam and Norgate, 1935).
日本語訳もあるが、参照用の原典も必携である。Ernest Benn から出ていたハードカヴァーもよい。
Regardie, Israel. The Tree of Life (London: Rider, 1932).
リガルディ−前半生の傑作と評価が高いが、真の価値はおのれの目で読んで確かめるべし。
70年代のペーパーバックは製本が悪く、すぐバラバラになる。千枚通しで穴をあけ、凧紐でくくるのも気合が入っててよろしい。
Regardie ed. The Golden Dawn 4 vols (Chicago: Aries, 1936-40).
普通はレウェリンの上下本、あるいは1巻本をあたることになろう。さらに普通使いのために現行のペーパーバックを買うこと。
Howe, Ellic. The Magicians of the Golden Dawn (London: Routledge & Kegan Paul, 1972).
だれがなんと言おうと団史の決定打。このところアウトオブプリントのため入手困難の模様。
Francis King ed. Astral Projection, Magic & Alchemy (London: Neville Speaman, 1971).
飛翔する巻物。ギルバートが参加した増補改訂版も必ず入手のこと(というか、こっちを買えばよい)。
Gilbert, R. A., ed. The Golden Dawn Companion (Wellintonborough: Aquarian, 1986).
団員名簿、規約、その他もろもろ。
実践系
*実践系は本棚用の初版や豪華復刻にあらず。実用本位。引き出しに入れて常時参照すべし。
Regardie, Israel. Twelve Steps To Spiritual Enlightment (New York: Weiser, 1975).
団に入るまでのつなぎとして最適。入団後10年を経てたいがいわかった気になってる人間も再読して益するところ大。
King, Francis & Skinner, Stephen. Techniques of High Magic. (New York; Destiny, 1976),
GD系の内容を手軽に知りたい場合にお勧め。