1899年、ニューヨークにて初演されたウィリアム・ジレット主演の舞台『シャーロック・ホームズ』の劇場販売用パンフレット。印刷発行元はニューヨークのR.H.ラッセル。

多数の写真に混じって、パメラ・コールマン・スミスの表紙絵、および白黒イラストが3点入っている。すでにラッセルから『アナンシー物語』を出していたため、お小遣い代わりに貰った仕事か。

ウィリアム・ジレット(1856-1937)はパメラの親戚筋にあたり、こののち当代随一のホームズ役者として1200回もの公演をこなすことになる。画像としてのホームズが確定するにあたり、挿絵画家シドニー・パジェットと役者ジレットが果たした役割はきわめて大きいとされている。

白黒画像のうち、あぐらをかいているホームズは、パンフに収録されているほぼ同姿勢の写真からのトレースと思われる。同様の事例はやはりラッセルから出た劇場用パンフ『女優トレローニー』にも見られ、コールマン・スミスの商業美術家としての側面がうかがわれる。




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