Sharp, William or Macleod, Fiona ウィリアム・シャープ　或いはフィオナ・マクラウド (1855-1905) ☆　スコットランドの文芸批評家。女流作家「フィオナ・マクラウド」としても知られる。 　1855年グラスゴー近郊のペイズリーにて出生。幼少時は利発な少年であり、しばしば夏の休暇をヘブリデス諸島で過ごし、後のケルト趣味を養う。長じてはグラスゴー大学にて文学を専攻、文人として身を立てる決意をする。 　1878年、ロンドンに出て詩人、文芸批評家、編集者として活動を開始。幼馴染で従姉妹のエリザベスと結婚。 　189１年、旅先のイタリアで妻エリザベスの友人エディス・リンダーと恋に落ちる。この経験の結果として女流の筆名「フィオナ・マクラウド」が誕生したとの説が有力。 　シャープは「フィオナ」創造にあたって書簡や原稿を妹メアリーに清書させるなどかなり手の込んだ偽装工作を行っており、友人のイエイツ等も長期間だまされている。シャープは「フィオナ」の友人にして代理人、連絡係という立場をとっていた。 　1905年、持病の糖尿病と心臓が悪化。同年12月12日、療養先のシチリア島にて死去。 　19世紀末のオカルト界にあって、シャープはケルト復興の一方の雄としてイエイツ等にイメージを与える立場にあった。詩人とともにパリのマグレガー・マサースを訪問するなど、かなり深い部分まで踏み込んでいたようである。イエイツの「ケルト計画」においてフィオナが果たした役割は大きく、いわば霊感源泉ともいうべき閨秀佳人が男性の偽装であったという事実もまた「黄金の夜明け」団の相似形といえようか。 　さらにシャープ自身の霊的素質に関しては未亡人の言葉が残っている。いわく「私は霊能者としての夫についてはほとんど語ってきませんでした。夫の著作を見れば十分にそれが察せられると思っております。しばしば夫は心霊実験に参加しており、W.B.イエイツ氏と協同する場合もままありました。結果として深刻な物理的障害が起きる実験もありましたので、後年は心霊実験を控えていました・・・イエイツ氏いわく、WSは氏が出会ったもっとも異常な霊能者であったとのこと」１ 1. Elizabeth A. Sharp, William Sharp (Fiona Macleod) a Memoir (London: William Heinemann, 1910) p.424.
主要著作	as William Sharp The Human Inheritance, The New Hope, Motherhood, Elliott Stock, London, 1882. Dante Gabriel Rossetti, Macmillan, London, 1882. The Poems of Ossian, Patrick Geddes and Colleagues, Edinburgh, 1896. Life of Percy Bysshe Shelley, Walter Scot, London, 1887. Life of Robert Browning, Walter Scot, London, 1890. as Fiona Macleod Pharais, a Romance of the Isles, Stone and Kimball, Chicago, 1895. The Mountain Lovers, Robert Brothers, Boston, 1895. Sin-Eater and other Tales and Episodes, Stone and Kimball, Chicago, 1895. The Washer of the Ford, Stone and Kimball, Chicago, 1896. Green Fire a Romance, Archibold Constable, London, 1896. The Laughter of Peterkin, Archibold Constable, London, 1897. From the Hills of Dream, Patrick Geddes and Colleagues, Edinburgh, 1899. The Divine Adventure, Chapman and Hall, London, 1900. By Sundown Shores, Studies in Spiritual History, Thomas B. Mosher, Portland, 1902. The House of Usuna, a Drama, Thomas B. Mosher, Portland, 1903. Deirdre and the Sons of Usna, Thomas B. Mosher, Portland, 1903. Winged Destiny, Chapman and Hall, London, 1904.
参考文献	Sharp, Elizabeth A., William Sharp (Fiona Macleod) a Memoir, William Heinemann, London, 1910.
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