タロット護符 |
タロットを護符(タリスマン)として用いる場合、使用する札は小アルカナ各スートの2から10までの数札である。 生命の樹配属で説明したように、各スートは地、水、火、空気の四元素に照応する。さらに数札はその数にしたがって生命の樹のセフィラに照応する。具体的にいえば、棒の5は棒ゆえに火、5ゆえにゲブラーに照応するのである。 2から10までの数札は九枚であり、4スート分を合計すると36枚となる。これら36枚は十二宮(ゾディアック)の各宮をそれぞれ三等分した十度分角(デカン)に照応する。 「黄金の夜明け」団ではこれらの数札に称号と十二宮支配領域および担当天使二柱を配属している。具体的に見てみよう。 |
カード | 支配領域(デカン) | 支配星 | 称号 | 昼の天使 | 夜の天使 |
棒の5 | 獅子宮1゜−10゜ | 土星 | 闘争の主 | Vahaviah | Yelayel |
杯の5 | 天蠍宮1゜−10゜ | 火星 | 快楽の中の損失の主 | Livoyah | Pehilyah |
剣の5 | 宝瓶宮1゜−10゜ | 金星 | 敗北の主 | Aniel | Chaamiah |
ペの5 | 金牛宮1゜−10゜ | 水星 | 物質的トラブル | Mibahiah | Pooyel |
ちなみに称号は当該元素と支配星、および配属先のセフィラとの関係で決定されている。 さて、勝負事や争い事に勝利をもたらす護符が欲しいとする。闘争関係はゲブラーの領域であるから、各スートの5の札が護符の候補になる。上記の例を見れば、棒の5が護符として適切であることがわかる。 しかし単に棒の5のカードを所持しているだけでは無意味である。カードはどこまでいっても単なる印刷物にして紙製品であり、魔力など秘めてはいない。単なる物品に護符としての力を授けるには、所定の手続きが必要なのであり、その際に用いられるのが各カードに付属している二柱の天使である。 タロット護符魔術とは、数札に配属される二天使の名前からテレズマ像を構築し、改めてカード内に充填する作業のことである。 |
汝知るべし。天使の御名はそれ自体が御姿なり。 最初の文字が頭となり、最後の文字が足となるなり。 文字には男女両性あり。その多少によりて天使の性別が決まるなり。 文字にはすべて色彩あり。 玉座に座す天使あり、雲間に立つ天使あり。
上記が魔術結社で伝授される要訣である。
タロット魔術の三部門、霊視、護符、占術のうち、この護符部門はとりわけ「黄金の夜明け」団の融通無碍たる特徴を物語っているといえよう。
Z2文書 : 『黄金の夜明け魔術全書』下巻123−149pp。 |