O∴H∴流タロット占術


 次に紹介する占術練習法は、長尾豊著『魔術は英語の家庭教師』(はまの出版、1985)にて発表されたものですな。
 今回は新たな解釈のもとに改めて紹介しましょうか。
 必要人員 : 最低二人。

それではリーディング練習法。

相談: 親友のK子のかれを好きになってしまいました…

とまあ、よくある話です。で、タロットをシャッフルするわけで。

4 2 1 3 5

 スキップカウントの5枚出しで上の如き展開になったとしましょう。

  1. 魔術師
  2. 剣の王
  3. 女司祭
  4. ペンタクルの3
  5. 剣のエース

 模範回答 「相手の男はかなりの遊び人で(魔術師)、あなたが真剣に考えていると(女司祭)とんでもない嵐が巻き起こる可能性あり(剣の王)。スピーディーな展開になるか(剣のエース)、あるいは地道にこつこついくか(ペンタクルの3)、どちらにしても主導権は相手が握っているようである。ま、様子を見ときなさい」

 さて、ひとつのリーディングが終了したわけですな。

 続いて展開されたカードはそのままに、質問だけをころっと変えてみる。

相談: わたしは東西ドイツ統合で失職した東側のスパイです。前職が前職だけになかなか再就職の道がひらけません。どうしましょう?

 展開されたカードは先ほどのしょうもない恋占いと同じもの。さあ、どういうリーディングを組み立てるか!?

 回答 「剣のエースと王という、エレメントでいえば空気関連の強いカードがある。さらには水星すなわち知識や情報を司るカードが中央にある。総合的に見て、ネット上での情報販売でこつこつ稼ぐあたりが妥当か」

 さらにカードはそのままで新たなる質問。

相談: わたしは悩める伏見稲荷のキツネです。豊川稲荷から留学してきたら、言葉使いがおかしいと京都のキツネがいじめるのです。どうしましょう?

回答 : 「人間関係を円滑にすすめるには小手先のわざも必要でしょう。誠意ある態度とドスをきかせた言葉で開き直ることも大事です。毅然とした態度をとっていればおのずと道はひらけます。ラッキーナンバーは3、カフェオレを飲んで気分転換しましょう」

 以上、おおむねおわかりでしょう。O∴H∴で考案されたタロット練習法は、同一の展開からどれだけ多数の回答、解釈を思いつけるかを競うものであります。

 この練習は二人で行います。とんでもない質問を考える側と、回答する側。おおむね五回をめどに攻守交代。質問や回答がワンパターンになるのを防ぐため、さらに審判をつけるのが望ましい。

 質問はできるかぎり突拍子もないものがよろしい。

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各カードの意味の覚え方

 おもしろいもので、タロットの各カードの意味をいちいち覚えているうちはまだ初心者なのですわ。熟達者になると、カードの意味を聞かれてもパシっと答えられない。それはなぜかといえば、ようするに自分の家族や親友のことを一言で描写せよと言われても困るのと同じ。「あいつはああゆう奴」としかいいようがなかったりする。

 カードは友人と思えばよろしい。まず知っておくべきは名前、住所、電話番号。ようするにカードの称号、生命の樹における位置、配属関係ということですな。

 あとはカードのおおまかな性格。「愚者」ならば、おもろい奴だけど放浪癖があって地道な作業がきらいとか、そういう覚え方ですわい。

 で、78人もいると、どうしてもうまのあう奴、そりがあわない奴がでてくる。カードも同じ。特に気に入っているカード、そうでないカード、でてきます。

 こんな感じで常時カードに接していれば、いちいち意味など覚える必要はないわけです。

 ただしビギナーは最初にカードの意味を頭に叩き込むこと。すべてはそれからですぞ。




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