杯の王女の舞い

Or how I found her dancing upon the cloud


Ex. Ver. 1.0


 黄金の夜明け団に伝わるタロット文書『Tの書』によれば、杯の王女は「美しい女戦士風の姿」で「泡立つ海の上に立って」いて、白鳥の羽毛で縁取りされたマントをはおっているとされる。さらにイルカだのウミガメだのと細かい象徴も導入される。

 上にある1シリーズの杯の王女はTの書の指示を雑になぞったものであり、イルカもウミガメもカットしている。杯とて雑な代物で、「泡立つ波」もいいかげんである。

 そのためであろうか、杯の王女が描き直しを要求したらしいのである。

 すなわち2000年夏至の頃、いつものように翻訳・執筆・ウェブ作業を終えてボサーっと脱力していた小生、妙な夢らしきものを見たわけで。

 その夢の内容を適当に絵にしたものが結局3シリーズの「杯の王女」となったのである。


Ver.3.0


 杯を手に旋舞するドレスの女性である。旋舞という身体運動は「竜の周転法則」にも合致するから、これはこれで結構であろう。『Tの書』指定の軽装甲スタイルではなくなったが、このあたりは裁量というものである。

 ちなみにコートカードは四大を段階別に擬人化したものであるが、現実世界にあっては人物を表すのである。このカード群となじもうと思えば、日頃から出会う人物を16通りに分類するとよい。


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