ネブカドネザル図

 別名を「ダニエルの人」図という。4−7儀式にて若干触れられており、本格的に解説されるのは予備門儀式に入ってからとなっている。いわく

 「これぞネブカドネザルの夢に出し像なり。汝がフィロソファス4−7位階に続く第二十七番の小径を通過せしとき、示されしものなり。「王よ、汝はひとつの大いなる像が汝の前に立つを見たり。その像は大きく、非常に光り輝き、恐ろしき外観を持ちたり。この像の頭は純金、胸と両腕は銀、腹と腿は真鍮、脚は鉄、足の一部は鉄、一部は粘土なり。汝が見るあいだに、ひとつの石が人手によらずして切り出され、その像の鉄と粘土の足を撃ち、これを砕きたる。かくて鉄と、粘土と、真鍮と、銀と、金はみなともに砕け、夏の打ち場の籾殻の如くなり、風に吹き払われ、跡形もなくなれる。されどその像を撃ちし石は、大いなる山となりて、地を満たしたり」

 4−7儀式の言及部分は、リガルディー編『黄金の夜明け魔術全書』収録版ではカットされている。ガードナー文書の記述を引くと、「別の図版にはネブカドネザルの姿あり。その頭は黄金、胸と両腕は銀、腹と腿は真鍮、脚は鉄、足は一部鉄にして一部は粘土なり。その手のうちに熱と湿の性質が示されたり」となっている。

 この図のオリジナルは暗号文書にある。高く掲げた右手に炎、降ろした左手に杯を持つ人物が雑な線で描かれており、体の各部所に材質指示代わりの惑星記号が書き込まれている。実際の儀式で用いられた図版はおそらくウェストコットが作成した水彩画であったと思われる。1897年のウェストコット退団時に回収されたらしく、クロウリーの『ソロモン王の神殿』にも図版収録されず終いであった。

 下の「ネブカドネザル図」は暗号文書の原図および予備門儀礼の記述をもとに小生が作製したものである。

ネブカドネザル図
copyright Oujupah 2003


 もともとはShadeによる3DCGだが、現存する水彩テレズマ天使図などを参考にして、水彩仕立てで処理して額装してみた。


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