霊の出現に関して

ルシフグ・ロフォカル:
見よ、われはここにあり。われになにを望むや。
なにゆえにわが休息を妨げるや。
もはやその恐るべき杖にてわれを撃つなかれ。


カルシスト:
われが召喚したるときに現れたれば
われ汝を撃ちこらすことなし。
心得よ。
わが要求に答えぬならば
われ汝を永遠に苛むであろう。

ロフォカル:
われを苛むなかれ。
われになにを望むか言明されたし。



要求

カルシスト:
わが要求は以下の如し。
週日、毎晩、われあるいはこの書を託されし人物のもとに
二回連絡を入れるべし。その旨に同意し、この書に署名せよ。
これよりわれが指定する時間に不都合があるならば
汝に時間を選定する許可を与えん。すなわち

月曜は九時と十二時
火曜は十時と午前一時。
水曜は十一時と午前二時。
木曜は八時と十時。
金曜は午後七時と十二時。
土曜は午後九時と十一時。

さらにわれは命ず。この付近で一番近い財宝をわれに提供すべし。
またわれは約す。毎月の一日に最初に手にする金貨ないし銀貨を汝への報酬として与えん。
わが要求は以上なり。

ロフォカル:
さような条件にて汝の要求に応えることあたわず。
五十年の後、われに汝自身を与え、肉体も魂も自由にしてよいと
約定せよ。



カルシスト:
わが要求に応えぬならば、見よ、大いなるアドナイの力によりて
汝と汝の眷属すべてを撃ち懲らすであろう。

破砕杖の先端を炎に入れ、霊が降参するまで大いなるクラヴィクルの咒文を繰り返すべし。

ロフォカル:
もはやわれを撃つなかれ。週日、毎晩二回、汝の望みを叶えることを誓わん。すなわち、

月曜は十時と十二時。
火曜は十一時と午前一時。
水曜は十二時と午前二時。
木曜は八時と十一時。
金曜は九時と十二時。
土曜は十時と午前二時。

またわれは汝の書物に同意せん。われはわが真の署名を羊皮紙に記し、汝に与えん。汝はそれを書物の巻末に添付し、汝の要求を満たす際に用いるがよい。
またわれは誓わん。汝、斎戒沐浴をなし、大いなるカバラ円を描き、恐るべき破砕杖を持ち、書を開き、ロフォカルと唱えるとき、われは汝のもとに現れるであろう。
またわれは誓わん。わが真の署名が入りし書を持つ者であれば友好的な交渉を持つことを。ただしわれを最初に呼び出す際に正式の手順を踏むことを条件とする。
またわれは汝が望みし財宝を汝のもとに届けん。ただし汝がこの件に関して永遠に沈黙を守り、また貧しき者に施しをし、毎月ついたちに金貨ないし銀貨をわれに与えることを条件とする。この約定を違えるならば汝は永遠にわがものとなろう。

カルシスト:
汝が出したる条件に同意す。

ロフォカル:
われのあとに続き、財宝を手にするべし。


カルシストは破砕杖とエマティユにて武装し、大いなるアドナイが描かれし扉口から円外に出る。ただし助手たちは一歩も動いてはならない。なにを見聞きしようとも身じろぎもせずに円内にとどまらなければならない。カルシストは霊に導かれて財宝の在り処へと向かう。このときカルシストは太陽のように輝く首輪をつけた巨大猛犬の幻影を見るであろう。これはノームであり、破砕杖の先端を向けると追い払える。犬は財宝の方角へ歩きだすので、それを追っていく。いざ財宝にたどりつくと、カルシストはそれを隠した人物の正体を知って驚愕するであろう。その人物はカルシストにつかみかかろうと必死になるが、無益であろう。カルシストは大いなるクラヴィクルの呪文を記した未使用の羊皮紙を準備しておかねばならない。この羊皮紙を財宝の上にかけ、貨幣を一枚つまみあげると同時に、誓約と確認の意味でまえもって自分の歯でしるしをつけておいた貨幣を置いておく。こののちカルシストは後ずさりしながら手に入るだけの財宝を持ち去ってよい。上記の如く慎重を期していれば財宝が逃げることはない。ただし如何なる物音がしようとも決して背後を振り返ってはならない。いよいよというときには世界中の山が崩れ落ちてくるような音がするからである。最大の勇猛を発揮し、心を強くせよ。かくしてカルシストは霊によって円の入り口に連れ戻されるであろう。カルシストは以下の退出許可の詠唱をなすべし。

霊の退出
おお、ルシファー皇帝よ、われは暫時満足したる。霊よ、されば平安のうちに立ち去り、好む場所にて休むがよい。物音を立てず、悪臭を放たずに立ち去るべし。されどわれらの取り決めを忘れるなかれ。一瞬たりとも約定を違えるならば、大いなるアドナイ、エロヒム、アリエル、ジェホヴァの破砕杖によって汝を永遠に撃ち懲らすであろう。アーメン。

謝恩
おお全能の神よ、人に奉仕させるべく万物を創りたる神よ、今月今夜われらの願いに大いに応えたる神よ。われは汝の大いなる寛大に対して慎ましき謝恩をなさん。大いなる神よ、求めよされば与えられん、たたけされば扉は開かれんとの約定をわれらは十全に実現したる。貧しき者たちを救えとのお教えに従い、われらは大いなるアドナイ、エロヒム、アリエル、ジェホヴァの御前にて誓約す。これら四神がわれらに与えたる大いなる富をもって慈悲の日の光を貧しき者たちに降り注ぐことを。アーメン。
ヴァーレ。

 



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