第四章 大いなるカバラ円の製作 まず山羊皮の細切れにて円を作り、四隅を四本の釘にて地面に固定せよ。そののちエマティユと呼ばれる石を用い、東を起点として円内に三角形を描くべし。さらに東を基点として大きなA、小さなE、小さなA、小さなJを描くべし。またイエスの聖なる名前をふたつの十字架の間に描くべし。これにより霊が汝を背後より襲うことはないであろう。さればカルシストと助手たちは恐れることなく三角形内の持ち場につき、騒音等に悩まされることなく円内三角形の左右に二基の燭台とクマツヅラの冠を配置すべし。以上をなしおえたなら蝋燭に点火せよ。またカルシストのまえに新品の火桶を配置し、新たに聖別された石炭を積んでおくべし。カルシストは点火に際して火桶に少量のブランデーと樟脳をくべよ。残りはとっておき、作業時間を考慮して定期的に補給する際に用いよ。以上を正確になし終えたなら、以下の祈祷を唱えよ。 おお偉大なるアドナイよ、われはわが手に入る最も純粋なる香を捧げん。最良の樹木から精製されたるこの炭を捧げん。偉大なる全能のアドナイよ、エロヒムよ、アリエルよ、ジェホヴァよ、わが全身全霊をもってこれらを供えん。おお偉大なるアドナイよ、これらをふさわしき全燔祭の供物として受け取りたまえ。 術者はいかなる合金も身につけてはならない。所持してよいのは紙に包んだ金貨や銀貨だけである。円外に霊が現れたとき、これらをなげつけて追い払うためである。霊が金貨を拾っているあいだに以下の祈祷を唱え、勇気と気力と熟慮をもって自らを強めるべし。また、言葉を発してよいのはカルシストのみである。たとえ霊から質問されようとも脅されようとも、助手たちはひたすら沈黙を守らねばならない。 |
第一の祈祷 おお偉大なる生ける神よ、父、御子、御霊の三位一体よ、われは汝を心の底より称え、その聖なる守護に全幅の信頼をもってわが身を委ねん。汝こそはわが創造主、われに恵みを与え、われを生かしたる主なり。わが魂は未来永劫わが主のみもとにあらんことを願うものなり。かくあれかし。アーメン。 第二の祈祷 おお偉大なる生ける神よ、人を創りたる主よ。人はこの世にて至福を味わい、万物を自らのために用いたる。そはすべて主の御心の定めるところなり。されば主よ、わが計画の成就に御恵を賜らん。われらのために汝が御手をもて作りたる財宝を、反逆の霊たちが所有することを許したもうなかれ。おお偉大なる神よ、汝のクラヴィクルの恐るべき力の名前によりて霊たちを駆逐する権限をわれに与えたまえ。アドナイ、エロヒム、アリエル、ジェホヴァ、タグラ、マトン、われに微笑みたまえ。かくあれかし。アーメン。 |