地占経秘伝

How to Understand Geomanctic Correspondence
( and rule the world )


 17世紀の時点で地占配属にはヴァリエーションがあり、その是非が問題とされている。『アグリッパの隠秘哲学第四書』では、配属を紹介したあとで「この配属は世間一般で用いられているものよりも真実にして合理的である」といった記述が見られるのである。以下は『第四アグリッパ』の配属をテーブル化したものである。


Fortuna Major Fortuna Minor Conjunctio Albus
* *
* * 火
 *
 *獅子宮
 *
 *  火
* *
* *獅子宮
太陽 * *
 *  地
 *
* *処女宮
* *
* * 空気
 *
* *双児宮
水星
Via Populus Puer Rubeus
 *
 * 水
 *
 *巨蟹宮
* *
* * 水
* *
* *巨蟹宮
 *
 *  火
* *
 *白羊宮
* *
 *  水
* *
* *天蝎宮
火星
Acquisitio Laetitia Carcer Tristitia
* *
 *  水
* *
 *双魚宮
 *
* * 火
* *
* *人馬宮
木星  *
* * 地
* *
 *磨羯宮
* *
* * 空気
* *
 *宝瓶宮
土星
Puella Amissio Caput Draconis Cauda Draconis
 *
* * 地
 *
 *金牛宮
 *
* * 空気
 *
* *天秤宮
金星 * *
 * 地
 *
 *磨羯宮
 *
 *  水
 *
* *天蠍宮


 この配属の構成は以下の如し。フォルチュナ・マジョールを例にとれば、まず配属惑星として太陽、太陽が支配する宮として獅子宮、獅子宮のエレメントとして火という順番となっている。エレメント配属を宮から導き出すため、たとえばアキシティオとレティシアはともに木星に照応するが、エレメントは別になってしまう。さらにこの配属では、火4、水5、空気3、地4とエレメント配属に整合性が見られなくなる。

 ちなみにGDの地占配属はほぼ上の通りであるが、プエラとアミッシオが交換されている。これは地占象徴の意味に起因する交換と思われる。プエラの意味は「美少女」であるから、金牛宮よりも天秤宮にふさわしいのである。さらに竜頭竜尾では十二宮配属が外され、かわりに惑星が二つ配属され、エレメントも二つの惑星の結合から算出されている。ゆえにGD配属では火5 水4 空気3 地4というエレメント配分となっている。

GD配属(部分)
Puella Amissio Caput Draconis Cauda Draconis
 *
* * 空気
 *
 *天秤宮
 *
* * 地
 *
* *金牛宮
金星 * *
 * 水
 *
 *金星と木星
 *
 * 火
 *
* *土星と火星


 なお『第四アグリッパ』は惑星と象徴事態の性質から算出するエレメント配分として以下の照応を紹介し、これを正しいと提唱する。

 火 フォルチュナ・マジョール ルベウス プエル アミッシオ
 水 アキッシオ 竜尾 ヴィア ポピュラス
 空気 フォルチュナ・ミノール プエラ レティシア コンジャンクシオ
 地 カルセル トリシティア アルバス 竜頭

 また世間一般で用いられている照応として以下を紹介している。

 火 竜尾 フォルチュナ・ミノール アミッシオ ルベウス
 水 ポピュラス ヴィア アルバス プエラ
 空気 アキッシオ レティシア プエル コンジャンクシオ
 地 竜頭 フォルチュナ・マジョール カルセル トリスティシア

 さらに世間一に流布する十二宮配属として

 白羊宮−アキッシオ 金牛宮−フォルチュナ・マジョールとミノール 双児宮−レティシア 巨蟹宮−プエラとルベウス 獅子宮−アルバス 処女宮−ヴィア 天秤宮−竜頭とコンジャンクシオ 天蝎宮−プエル 人馬宮−トリスティシアとアミッシオ 磨羯宮−竜尾 宝瓶宮−ポピュラス 双魚宮−カルセル

 という照応が紹介されている。

 地占照応は17世紀の時点でこれほど錯綜しているわけだが、その原因は十六象徴を十二宮七惑星という占星術に照応させることに基本的な無理があるということであろう。4×4のエレメント照応のみで済ませておけばよかったのである。

 実占にあたっては、GD照応を採用すればよい。

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