『ザ・フリーメイソン』誌1898年クリスマス号

soft cover 250mm*370mm 56pp

 19世紀末に刊行されていたフリーメイソンリーの専門誌である。内容はクリスマス号らしく一年の総決算、来年への展望、各種連絡事項やメイソンリー史研究のエッセイ等で占められている。右にある表紙には多数の広告があり、中央のクロンサルというのはフランクフルト近郊で採取されるミネラルウォーターの宣伝、その下は季節にふさわしくシャンパン酒、さらに下はドッグフード。病院関係の広告はどれも寄付金をお願いする趣旨のものとなっている。



 左は表紙をめくってすぐに眼に入る全面イラスト。タイトルは「忠誠」であり、連合王国旗の下、擬人化された忠誠がヴィクトリア女王の横顔盾を花輪で飾るという、もうこれでもかというくらいの大英帝国賛美。

 「黄金の夜明け」団の男性団員の多くがフリーメイソンである点を考えれば、当時のメイソンリーの雰囲気を知るうえでこういった雑誌の類もそれなりに貴重な資料と言えるであろう。


『ザ・フリーメイソン』誌1898年クリスマス号には特別付録として "UNITED GRAND LODGE OF ENGLAND, GRAND OFFICERS, 1898" というA3程度の折込ポスターのようなものがついていた。内容は表題通り、1898年当時の英国ユナイテッド・グランドロッジの執行委員たち28名の顔写真と名前および役職略号である。当時のグランドマスターはエドワード皇太子すなわち後の英国国王エドワード7世、その補佐にあたる者たちのなかには現在グランドロッジ内のグッズ販売店の店名に名を残すレッチワース、数々のメイソンリー歴史書の執筆で有名なヘンリー・サドラー等が見られる。せっかくなので28名全員の顔写真をこの場に収録するが、このポスターに使われていた活字のCとGがきわめて識別しにくい代物であった。綴りに関してはあまり自信が持てないことを告白しておく。

John Strachan, QC., G.REC.

H.L.Florence, G.S. of W.

John H.Ruthergren, DEP. C.SWD.B.

Lord Amherst, Dep.G.M.

Edward Letchworth, G.SEC.

B.F.Edyvean, A.C.D. of C

C.L.Fry Edwards, S.G.D.

J.F.C.Winkfield, A.G.D of C.

Hy. G. Neville, A.G.D. of C

William Lake, ASST. G. SEC.

Henry Sadler, G.TYLER.

G.Cravelley, G.PURST.

RT.HON.Lord Burton, SEN.G.W.

REV.Brooke Lambert, G.CHAP.

Lewis Lazarus, A.G.PURST.

H.W.Kiallmark, J.G.D.

THE LATE Earl of Lathom, PRO. G.M.

SIR F.Dixon-Hartland, S.G.D.

HIS HONOR JUDGE Philbrick, Q.C., LATE G.REC.

R.J. Mure,J.G.D.

SHERIFF Clifford Probyn, G.TREAS.

John Haviland, J.G.D.

CAPT. George Hearn, G.SWD.B.

John Read, G.STD.B

Alfd. King, MUS.DOC., G.ORG.

SIR Albert W. Woods, K.C.M.G., G.B. GARTER, G.D. of C.

Arthur Stubbs, G.STD.B.




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