Original BMP size : 772*1226 pixels

Printing size : 56mm*89mm (350dpi)

Six of Cups

O.H. Tarot Cards Experimental Ver.5.0


 小アルカナ製作の際に一番問題となるのが、単なる数札にするか、ライダー風の絵札にするかという選択です。O∴H∴タロットの場合でいうと、1シリーズは数札、3シリーズは絵札、そして5シリーズはふたたび数札となっています。

 絵札を作製するにあたっては、「Tの書」に記されたタイトルを参考に進めるのが一般的です。ライダーのデザインをそのまま踏襲する場合も多いですな。

 ライダーの小アルカナはソーラ・ブスカ版を参考にしているとガートルード・モークレーが指摘しております。タロット史の観点からいえば、イラスト入り数札はきわめて例が少ないのですが、プレイング・カード全体でいえばそれほど珍しいわけではない。「教訓カード」と称される一連の絵入り数札が十五世紀辺りから製作されていますし、そういった実例を収集したダルマーニュの大著『十四世紀から二十世紀までのプレイング・カード』が1906年に発表されていますから、作画担当のコールマン・スミスにとって、参考資料はある程度充実していたといえるでしょうか。

 そもそもタロットのデザインを本気で考えるなら、タロット自体の構成から考察しなおしてもよいでしょう。早い話、22+56=78という従来のフォーミュラのみならず、1+21+16+40=78とか、あるいは22+(14×N)もありでしょうな。奇怪な提案と思われるかもしれませんが、小生、5スーツや6スーツ、はては7スーツのタロットも充分可能だと考えています(いわゆるエクスパンション)。従来の棒、杯、剣、金貨に加えて、書物や楽器などの新スーツをコートカード付きで加えるのです。配属をいちからやり直しですから、気軽に手を出すわけにはいきませんが。「書物の5」とか「リュートの女王」といった新札が登場したからといって、それが大アルカナ側にはまったく影響を与えないというのも注目すべき点であります。

 上に紹介した「杯の6」はCGで軽く作ってみたものです。モデリング15分、レンダリング2分。フォトショに流し込んで背景作るのに3分。杯の材質は黄金、背景はオレンジと黄色。このあたりは配属です。


参考資料

16世紀に作製された教訓カードに見る『書物の7』

taken from Les Cartes a jouer du XIVe au XXe Siecle


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