Covent Garden Theatre
from Round London (1896)

 1732年に創立されたコヴェント・ガーデン劇場はヨーロッパでも最大級の劇場であり、貴顕名流の社交場にして著名芸術家の活躍の場でもあった。ヘンデルが1741年に「メサイア」を初演したのもこの劇場である。その後、二度の火災を経て、現行の建物は1856年の建造。収容人員3500名。『マイフェア・レディ−』においてヒギンズがイライザに対してのたまう台詞 "You disgrace to the architecture of these columns"はこの正面コラムを念頭においている。

 オカルト・ロンドン的に見ると、この劇場の近所にジョージ・レッドウェイ社があり、若き日のA・E・ウェイトやマグレガー・マサース、編集者時代のアーサー・マッケンがうろちょろしていた。さらに劇場である以上「幽霊話」のタネも尽きず、かつての名優女優の出現ニュースも珍しくない。もちろん新作の前宣伝である。


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