参考資料

1743年の占星天文年鑑

Astro-Almanack of the year 1743.


図像
表紙 表紙
年利早見表 
ノルマン征服以降の歴代国王一覧表
司教一覧表
判事一覧表
祝日一覧、占星術記号紹介
天文歴使用法
8−31 1月ー12月の天文歴
32 恒星運動早見表
33 干満表
34−36 主要な出来事年表
37−40 木星衛星食一覧表
41−45 日食、月食一覧
46−47 今年の運勢
裏表紙 宣伝



解説

 エリック・ハウの『ウラニアの子供たち』にいわく、「18世紀を通じてグラントハム−スタンフォード地域には占星術師と年鑑業者たちの小村落が存在した。すなわち歴代のウィング一族、エドマンド・ウィーヴァー(営業1724−49)、リチャード・ソンダース(営業1683−1736)、ロバート・ホワイト(営業1693−1773)、トマス・ライト(営業1769−92)が居住していたのである」1。上に出した占星天文年鑑は1743年のエドマンド・ウィーヴァー版である。ちなみに筆者が所持する年鑑は1742年から51年までの10冊を一冊の書として製本しなおしたものだが、1750年と51年の分はロバート・ホワイト版となっており、ハウの記述を裏付けている。

 現在の視点から見て興味深いものとしては、まず主要な出来事年表がある。「1719年3月19日、当地にて驚異の隕石目撃」。「1727年9月8日、ケンブリッジ近郊バレルの人形劇場にて大火。男女子供120名が焼死」。「1729年6月10日、ヨークシャー、シェフィールドにて豪雨。病院その他が押し流される」。ちなみに1745年にはいわゆる「ボニー・プリンス・チャーリーの乱」が勃発しているが、この件が年鑑に登場するのは1747年になってからである。しかも記述は「スコットランドにて反乱発生」と、しごくあっさりしたものである。

 その他、注目すべきは日食、月食、木星の四大衛星の食といった天文上のトピックであろう。挿絵まで入れて丁寧に解説している。

 いわゆる「今年の運勢」もある。簡単にいえば、1743年の春季は土星と火星の影響で「大いなる邪悪、略奪、戦争、流血、あらゆる非人道的蛮行」に見舞われるとのこと。

 利子早見表などは、シリング・ポンド法ゆえの小さな親切であろう。年5パーセントの金利で596ポンド10シリングを1年9ヶ月1週間借りると、利息は合計52ポンド16シリング2ペンス2ファージングになるといった計算例も紹介されている。


1 Ellic Howe, Urania's Children (London: William Kimber, 1967), p.26n.



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