真鍮の海
この図版は暗号文書に記されており、ガードナー文書の4−7儀式では以下の如く言及されている。
「これはソロモン王が作りし真鍮の海の象徴なり。その直径は十キュピト、十セフィロトに対応するものなり。高さは五キュピトであり、ヘーの文字の数なり。周縁は三十キュピト、すなわち三数で倍せしものなり。縁の下には三百の丸拳装飾あり。これは真の文字とルアク・エロヒムそしてこれを支えるは十二人の姿なり。大いなる母アイマ・エロヒムの十二星冠に対応するものなり。これは創造の水をおさめるビナーの綜合なり」
そもそもこの「海」とは直径4メートルほどの真鍮製の風呂桶であり、司祭が身を清めるためのものである。ヤッキンとボアズの二柱とともにソロモン王の神殿の秘宝とされていたが、のちにバビロンの略奪に遭い、砕かれてしまった(列王記下25章13節)。
実際の儀式にあってはおそらくウェストコットが水彩にて描いた絵が用いられていたと思われる。1897年のウェストコットの退団時、絵も回収されたらしく、その後の文書からは削除されてしまった。ゆえにクロウリーの『春秋分点』誌でも言及されず、リガルディーの『黄金の夜明け魔術全書』にも記述がない。
下のCGは暗号文書の線画、4−7儀式、聖書の記述をもとに作製されている。
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