海外タロットフォーラム通信
発端
そもそも夢然居士ことK氏の悪戯から始まったと申せましょう。タロット方面に精通する居士は、こともあろうに日頃出入りされている海外タロット・フォーラムにて小生のO∴H∴タロットを紹介し、The
most sensational Hanged Man in the World と派手に宣伝してくださったのでございます(このあたり、気持ちを押し殺した岸田今日子ナレーションにて読むべし)。
のちにこの事実を居士よりメールにて知らされた小生、さよかと当該フォーラムに赴いてみれば、わが珠玉の一枚が西洋世界にて「あほか」「笑うで、ほんま」「いや重力的に正しい」と笑いものにされておるというか、笑いを取っておるというか。
oujupah | roppo |
しかしこのフォーラムはよく整備されており、大量の人員が毎日タロット関連のトピックを多方面にわたって議論しているのですな。ことのついでにあちこちロムしてまわること数回。小生としてもなかなかに引き込まれてしまったのです。このフォーラムは登録メンバーのみがカキコできるシステムですので、されば小生としても登録してみるべと思いました。しかしここで問題となるのがいわゆる「ハンドル」というやつです。本来ならば oujupah
で決まりなのでしょうが、K氏がすでにこの名前の持ち主に対してあることないこと(だいたいあること)をカキコしておるわけでして、ちょっと使える雰囲気ではない。こういう場合、小生が使う第2のハンドルが決まっておるのですな。すなわちかの中年ハードボイルドの星にして月神市警の刑事課長の苗字、roppo
。
(説明しよう。月神市の刑事課長とはかのゲーム『エルフィンダーツ』の主役、六法幸二郎のことだ。各方面に不可思議なコネを持ち、部下に人望があり、妙齢の美女にあれこれ世話を焼かれるが、宗教に走った妻のせいで家庭はぐちゃぐちゃ、娘は口もきいてくれない46歳。良い子は決して真似をしちゃだめだぞ!)
とりあえずroppoで登録します。先様からの確認メールを受けとったのち、カキコしてよいという仕組みです。
メールはすぐに届きました。定型文的な挨拶ののち、ニューメンバーのフォーラムにて挨拶するよろしとのアドヴァイス。こういうのは素直に従っておくのが身のためというもの。さっそく定型的挨拶文をカキコします。「長年タロットが好きでしたが話し合う場所に恵まれず残念に思っておりました。ここで色々と学ばせていただきたく思います」という無難な挨拶にとどめるわけですな。
するとどうでしょう。「よろしく」、「いらっしゃい」と多数のカキコが寄せられるわけでして、いやなかなかにアットホームな雰囲気であります。
かくして小生のタロット・フォーラム体験が開幕するのであります。
展開
小生が海外フォーラムに注目した理由はいろいろとございます。たとえばネット英語の現状を知ることがそのひとつです。とりわけカキコの類は流動的であり、すさまじい速度で進化というか変貌というかを遂げておるのです。おそらく以前ならば100年単位で推移したであろう言語変化が月単位で発生し、消滅しておるのです。タロット・フォーラムゆえの特殊表現もあれば、ほぼクリシェと化した略号等も見られます。またきわめて国際的なフォーラムであるため、参加者の国籍は多種多様。投稿者プロフィールにはLocation欄があるため、この人はドイツ、この人はシンガポールとだいたいの見当がつきます。国によって特有の英語表現のあるやなしや、そのあたりも注目です。
さて。ただROMってるだけではわざわざ登録した意味がありません(ちなみにこのROMるという軽薄表現、英語ではlurk
あたりを使います。潜伏するわけですな)。とりあえず興味深いスレッドを見つけて、うまいこと混ぜてもらうしかないようです。自分でスレッドを立てるのはもっと慣れてからでいいでしょう。ちなみに第1号カキコは当然ながら今回のきっかけを作った夢然居士どのへの「挨拶」しかありません。早速「パピュスのボヘミアンの挿絵にある数字札の正体なんたら」いうスレッドを自ら立てている居士を発見。「やあ、居士どの。グランド・オリエントの著作は調べたか? マサースのパンフの後継者としてあれは外せまいよ」といった趣旨のカキコを投稿。居士を驚倒させることしきり。ま、ささやかな報復ですな。(日本人同士、英語でカキコするのであります)。
続いて歴史考察板にてちらちらとカキコ。「マルセイユ版の愚者と聖ロクスの類似性」に関して、当サイトの英語ファイルを参照元として投稿しますと、結構な反応がありました。意外とご存知なかった方が多かったようです。また「援助の十四聖」に言及すると、十四聖イコノグラフィーのタロット・イメジャリーに対する影響の有無に関してちょっとした論争が巻き起こりました。
なるほどネットの掲示板はおもしろうございますなあ。小生なりにタロットについて考えていたことを、他の人があれこれ論評してくれたり、あるいは他の参考資料をリンクしてくれたり。いや、ためになります。夢然居士どのもこうやって情報を収集したり、世界中のマニアと交流しておったのだなと、感心することひとしきり。
ただし調子に乗ってカキコしておりますと、ついつい自分の日本語ファイルに言及してしまい、結局そのファイルを英訳するはめに陥るのであります。その最たる例が「ノトジェ福音書」のファイルでありまして。しかも英訳しているうちに内容が変わってしまったというおまけつき。いやはや、反省することしきり。しかし結果オーライでありました。四大枢要徳を天使に配属する場合、深慮がはじかれるという理屈を実例と説得力をもって開陳できたようです。このファイルはも少し練ってから公開しようと告知せずにこそっとアップしたのですが、夢然居士どのに察知され、タロット・フォーラム上で宣伝されてしまいました。いや、油断もすきもありませんな。
小生のタロット・フォーラム日記はときおりまとめて発表したく思いますわ。本日はここまで。
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