空気の短剣


 いかなる短剣でも短刀でも剣でもよい。ただし、短いほうがよりよい。

 柄と石突と鍔の部分は明るい黄色でなければならない。

 神聖名と天使名は黄色地に紫ないし菫色で描く。
― 『黄金の夜明け魔術全書』下巻54p
 空気の短剣 Air Dagger は既成品を流用して作製する場合がほとんどである。したがって土台に用いる刃物の質が問われるといえる。

 過去の例を見ると、もっとも多用されたのはスペインはトレドあたりで生産される装飾ペーパーナイフの類である。柄の部分に真鍮を用いることが多く、塗装の手間が省けるし、値段も手頃である。ただし刀身部はただの鋳物であり、刃物としての格は低い。

 れっきとしたナイフや短剣を入手し、しかるべき拵えを作る人も多い。柄の部分に黄色系の材木を用い、螺鈿や象嵌で印形を刻むのである。

 無論のこと、砂鉄を集めて溶かし、それを鍛造して鋼にし、さらに刃物へと形成できればベストであろう。昨今、ナイフビルド等のアマチュア鍛冶屋もよく見受けられるのである。一念発起してみるのもよろしかろう。


空気の短剣



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