西洋魔術博物館 収蔵品 no.5


中世末期手彩色小型時祷書零葉

recto verso


小型時祷書零葉 詩篇130篇


1470年頃 イタリア(フェラーラ)。手彩色時祷書リーフ(70*105mm)。ヴェラムに濃茶及び青、赤文字。金の頭文字Dの周囲に青インクにて繊細なペン・フラリッシング。その他赤の頭文字の周囲に赤インクにて装飾。




中世末期手彩色小型時祷書零葉 820x1220 別ウィンドウにて開く



 この零葉は7cm×10.5cmと小振りながら、実に繊細なペンワークで装飾が施されており、シンプルな美意識が感じられる。良家の子女の普段使いの品か。

 ペンによる描線装飾はペンワーク、ペン・フラリッシングなどと称し、13世紀頃から聖書や典礼書の頭文字や段落区分に用いられていた。それが次第に独立した技術となり、ヴェラムの余白をカンバスとして自由闊達に繁茂するようになった。専門の職人も登場している。

 青のインクによる装飾は天上の神を称えており、赤インクの装飾は血を流した子なるキリストへの賞賛とされる。赤と青を混ぜて生まれる紫色は聖霊を称える装飾に用いられる。



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