Pordage, John
ジョン・ポーディジ
(1607-1681)

☆ 英国の神秘主義者。

 1607年、ロンドンの商家に生まれる。神童の誉れ高く、16歳にしてオクスフォード・ペンブローク・コレッジに入学。そのまま国教会の牧師として世に出るという、民間秀才の定番的人生を開始する。
 1644年、レディングのセント・ローレンス教会の牧師。その後ブラドフィールド教区の上級牧師となる。

 1649年、もともと霊的な体質であった妻メアリー・フリーマンの幻視体験に触発され、ポーディジ自身も天使の訪問を受けるようになる。ほどなく夫妻の周囲には少数の支持者が集まり、独特の祈祷集会が開かれるようになった。

 当然ながらかれの活動は国教会上層部の知るところとなり、異端の嫌疑で査問委員会にかけられている。最初の告発は切り抜けることができたが、1654年の第2回告発の際は逃げ切れず、ブラドフィールド教区から追放され、牧師資格も停止されてしまった。王政復古の際の聖職復帰措置にあっても名誉回復がならず、ロンドンにて少数の支持者に囲まれて内密の幻視活動を続けている。

 1663年には神秘家ジェイン・リードがグループに参加。1668年のメアリー・フリーマン死去後、ポーディジとジェイン・リードの仲はさらに親密となる。ジェインの夫が死亡したのち、1674年からは同じ屋根の下にて同棲開始。ただし両名の年齢を考慮に入れると、ラブロマンスの香りは感じられない。

 1681年、ポーディジ死去。かれのグループはリードが引き継いでいる。

 ポーディジは自らの天使幻視体験の理論的根拠を求めた結果、ヤーコプ・ベーメにたどりついており、ドイツのベーメ主義者とも連絡をとりあっていたようである。かれの作品は多数が独訳されて現存している。



主要著作 Theologia Mystica, or the Mystic Divinities of the Aeternal Invisible, viz, the Archetypous Globe, London, 1681.
A Treatise of Eternal Nature with Her Seven Eternal Forms, London, 1681.
Innocentie appearing through the dark mists of pretended guilt, London, 1655.
Gottliche und wahre metaphysica, Frankfurt, 1715.
参考文献


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