Christian, Paul ポール・クリスチャン (1811-1877) 本名 Jean-Baptiste Pitois ☆ カバラ占星術を使う占い師兼魔術作家として有名。 1811年、レミルモンの中産階級の家に出生。若くして聖職を志し、トラピスト修道院に入るも一年で逃走。19歳でストラスブールの叔父の学校に転がり込み、一般学生となる。 1839年、公立学校の図書館職員となるが、その職種が閉鎖された修道院から集められた書籍や文書の大集塊の分類整理であり、ここで禁書たるオカルト関係書に接して興味を抱くようになる。 やがて隠秘学方面の研究を積んで、自ら著作を発表するようになり、様々な筆名を使い分けた後に、ポール・クリスチャンを名乗るようになった。 その後、当時流行していた左翼運動に少しかかわってから1853年に結婚。妻は作家ウォルター・スコットの遠縁にあたる女性であった。 1854年頃から占星術に凝り始め、予言書などを出して評判を取り、1856年あたりからは近所に住んでいたレヴィからカバラとタローのレッスンを受けるようになっている。この点を考慮に入れて、クリスチャンをレヴィの弟子とする記述が多いが、おそらく本人にはレヴィに師事したつもりはなかったと思われる。 以後、様々なオカルト書、占い書を出して人気を博し、1877年に死去。 クリスチャンの著作でもっとも有名なものは『チュイルリー宮殿の赤い小人』と『魔術の歴史』である。前者はナポレオン・ボナパルトに助言を与えて勝利に導いた小人というか悪魔というかにアイデアを得て、自分の得意とするカバラ占星術を開陳するものであり、後者はそのものずばりの内容である。 彼のカバラ占星術は一般的な占星術とはまったく異なるものであり、七惑星を人間その他に影響を及ぼす一種の霊的回路とみなし、これらの下に十二宮のデカン(一宮の三等分、角度にして10°)に相当する36の神霊を配置する。これらの36神霊が今度は十二宮の全角度分の360の霊群を支配するのである。惑星と宮はそれぞれカバラ的天使とタローに結び付けられている。 |
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主要著作 | L'Homme rouge des Tuileries, Paris, 1863. L'Histoire de la magie, Furne, Jouvet, Paris, 1870.: The History and Practice of Magic, 2 vols, Eng.tr. J. Kirkup and Julian Shand, London, 1952. |
参考文献 | McIntosh, Christopher: Eliphas Levi and the French
Occult Revival, Rider, London, 1972.: Weiser, New York, 1974. Dekker, Depaulis & Dummett, A Wicked Pack of Cards, Duckworth, London, 1996. |
関連ファイル | ポール・クリスチャンのタロット |
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