アルカナVI 文字 Ur (U,V) -- 数字 6 二つの道 : 試練 U,V−6は神界にあっては善悪の知識をあらわす。知識界にあっては必要と自由のバランスをあらわす。物理界にあっては自然の諸力の対立、因果の連鎖をあらわす。 アルカナVIは十字路にたたずむ男性の姿であらわされる。視線は地面に固定され両腕は胸元で組まれている。二人の女性が左右に立ち、それぞれ男性の肩に手をかけて、自分の方角の道を指差している。右の女性は額に黄金の鉢金を巻いており、美徳を擬人化した存在である。左の女性は葡萄の葉の冠をかぶっており、悪徳の誘惑をあらわす。上空には輝く光輪に包まれる《正義》のゲニウスが弓を引き、悪徳に懲罰の矢を射ようとしている。場面全体が情熱と良心の闘争を表現している。 大地の息子よ、心に刻むがよい。常人にとって悪徳は美徳よりも大いなる魅力を有するものなり。もしアルカナVIがそなたのホロスコープにあらわれたなら、決意を保つようこころがけよ。幸福への道が塞がれるであろう。反対勢力がそなたのまわりにただようであろう。そなたの意思は対立する二者のあいだで揺れるであろう。なにごとにせよ、決断せざるは誤った決断よりも致命的なり。進むにせよ退くにせよ、決してためらってはならない。花輪を断つは鉄鎖を断つよりも困難であると知れ。 ‐‐ ポール・クリスチャン 『魔術の歴史と実践』(1871) |
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参考
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解説 : パピュスの「恋人たち」描写はクリスチャンのそれとほぼ同一。またクリスチャンが語る「神界にあっては善悪の知識」という部分がライダー版の「恋人たち」に反映している。 |