アルカナXX

文字 Rasith (R) -- 数字 200

死者の覚醒 : 更新


 R−200は現世から来世への通過をあらわす。半分開かれた墓の上空で霊がトランペットを吹き鳴らす。男と女と子供すなわち人的三位一体の集合的象徴が墓からよみがえる。善悪を問わず万物の終焉となる変遷の象徴である。

 大地の息子よ、心に刻むがよい。運命は、それがいかにゆるぎなきものと思われても、実は可変である。魂の上昇は一連の試練の結果である。苦難の時にこそ希望を持て、繁栄の時にこそ警戒せよ。怠惰や忘却のうちに眠り込むことなかれ。そなたの知らぬ瞬間に運命の車輪は回るのだ。そなたはスフィンクスによって上下させられるのである。

‐‐ ポール・クリスチャン 『魔術の歴史と実践』(1871)

参考


エリファス・レヴィ 「審判。ゲニウスがトランペットを吹き、死者が墓からよみがえる。かつて死に、今は生きる三人は男と女と子供であり、人間生命の三つ一組をあらわす」-- 『高等魔術の教理と儀式』 (1855)


パピュス 「炎の翼を持つ天使が輝く光輪に包まれながら最後の審判のラッパを吹く。ラッパには十字架の模様が飾られている。大地の墓は開かれ、男と女と子供が顔を出している。かれらの手は祈りの形で組み合わされている」 -- 『ボヘミアンのタロット』 (1889)


ウェストコット 「第20のタロット・トランプは一見して最後の審判の模様をあらわしている。ラッパを吹き、旗をひるがえす天使が上空を飛んでいる。地上では観察者に背中を向ける人物が墓からよみがえっている」 -- 『サンクタム・レグナム』 (1896)


ウェイト 「すでに述べたように、この象徴は本質的にどのタロットでも変化がない。あったとしてもその性質に影響を与えるものではない。雲に囲まれる大天使が旗つきラッパを吹き鳴らす。旗には通例十字が描かれている。」 -- 『タロット図解』 (1911)


解説 : ウェイトはこのカードの真の意味として錬金術的解釈をほのめかしている。いわく「このカードにはとある意義が暗示されているが、この場にての解説は差し控えたい。ラッパで合図をすればわれらの本質のなかの低きものが瞬く間に反応して立ち上がる−−われらのなかにあってそういうものとはなにか? 表面のみを見る者は、この先もこの札のなかに最後の審判と肉体の復活を見るがよい。内なる目を有する者は眺めよ、そして知るがよい。かつてこの札がまさしく永遠の生命と呼ばれていた理由を理解するであろう。ゆえに「節制」の名によって取り扱われる札と比較されるであろう」。 




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